無線関連コラム

「VHF 帯電波観測によるスポラディック E のモニタリング観測 - アクティブデータアーカイブ」でEsの正体を探る(2021年6月19日)

今シーズンのEs伝搬状況は自分がワッチしている範囲に限っての印象としては低調で、6月上旬まではあまり大きなオープンに遭遇することはなかった。
しかし、6月13日からは5日連続で比較的強力で長時間のEs伝搬を観測することが出来た。

スポラディックEsは春から夏ごろにかけて、主に昼間に上空約100km付近に局地的に突発的(スポラディック)に発生する特殊な電離層。
Eスポの電子密度が極度に高い場合は、F層でも反射できないVHF(Very High Frequency)帯の電波をも反射するという特殊な性質がある。(ウィキペディアより引用)
また、なぜか日本の上空付近でのEs発生率が高いという観測記録もある。
Esに関してはまだまだ謎が多い。
ISSから見た地球大気画像を見ると薄っすらと層がかかった部分を垣間見れる。

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(出典:NASA Image and Video Library )

ここが上空100Km位としたらこの層を構成している物質が何らかのEs層成因に関与しているのかもしれない。

自分は国内民放FM開局ラッシュが始まる1987年頃から自宅の屋根にFMアンテナを建てて遠距離受信を嗜み始め、毎年Es伝搬記録も付け始めた。
HPにも「年度別Es伝播受信記録」「1987年~2003年における17年間のEs伝播データ自己解析」を載せてEs伝搬に関する自己流の考察レポートを記したりした。
また、以前所属していた「関東DXサークル」機関誌「CALL SIGN」にもEs関連レポートを投稿。
一例としての1992年7月号掲載の「Es一考察『風と太陽と流星』」のJPG画像をUPしておく(当時の原稿は手書きしかなく、改めてテキスト化する手間省略のため機関紙に載ったページをそのまま転写)。
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(出典:「関東DXサークル」機関誌「CALL SIGN」1992年7月号)

近年はEs伝搬考察のアクティビティーが低くなってしまい、久しくレポートも記していなかったが今回は直近の受信記録や新しいEs研究サイトからの引用等を活用し、久々にEs伝搬一考察忘備録として書き留めておく。

〇Es層の発生傾向
「年度別Es伝播受信記録」「1987年~2003年における17年間のEs伝播データ自己解析」 にも載せているが一般に言われているようにお昼前の10~12時、そして夕方から夜に掛けての16~18時の時間帯にピークがある。
これはEsの発生する高度100Kmの風の動きや磁力線の日変化に連動していると思われる。
また、大凡シーズン中に三つの大きなピークがあって、これは太陽の自転周期にシンクロしている可能性も高い。
Es層は夏至中心にピークがあるので、太陽の影響を大きく受けていると思われる。
但し、黒点の11年サイクルとの相関関係はあまりはっきりしない。
経験則からEs伝搬にも様々なパターンがあり、あくまで個人的な観察記録ではあるが以下のカテゴリーに分類している。

●南方(強力)型
長時間に渡って沖縄、石垣島方面(距離1000Km~2000Km)がオープン。ステレオで長時間安定した受信が可能。シーズン中には最も多く観測される。シグナルが強い場合は「強力型」と呼称する。また、九州、四国、山陰、山陽地方が伴って入感する場合もこのタイプに含める場合あり。

●北上(強力)型
朝のうち沖縄地方が入り、F/outした後30分~2時間位で九州南部、北部、山陰、山陽、四国地方と入感し、韓国へ至る。時として北海道まで至る時がある。シグナルが強い場合は「強力型」と呼称する。

●南下型
朝のうち韓国、北九州が入り、F/outした後、沖縄地方が入感してくる。

●北方(強力)型
北海道、及び極東ロシア、華北方面が長時間入感してくる。頻度は南方に比べ低い。シグナルが強い場合は「強力型」と呼称する。

●南北同時型
距離1000km以上の距離で南北同時に開ける。頻度低い。

●全面強力型(近距離Es)
距離1000kmより近い局が全方面から一度に強力に入感。頻度低い。
(JH1EAF「年度別Es伝播受信記録」から引用)

また昼間に強力なEsが発生した際、夜遅くまで安定的な伝搬が続く場合がある。
ウェキペディアによると、これはE層で「FAI(Field-aligned Irregularities)」と呼ばれる電離層構造が要因と考えられる。
FAIとは、Es層内プラズマ中の不安定な構造が地磁気の磁力線に沿った鉛直方向に対して電子密度が高くなる濃淡構造をいう。FAIは磁力線に直行の方向から入射する電波を強く後方散乱し、夏の夜半前にしばしば現れるといわれている。


〇Esの成因
〇「キングソロモンの法則」説
Esの成因については昔から様々な研究が成されている。
かつてはアマチュア無線家が「キングソロモンの法則」(発案者JA1KS氏のサフィックスを捩った名称)として「日本列島を温暖前線が縦断した時、かつ雲が垂れ込めていると発生しやすい」という研究が有名。
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(出典:八重洲無線発行ハムジャーナルNO.17/昭和51年12月20日発行)
(参照サイト/https://blog.goo.ne.jp/49contest/e/d97989f6b0ac6c14f98e0f6c0cffb97a)
但しこれはあくまで上空10km以下の対流圏での現象で、上空遥か100kmに発生するEsとの直接的な因果関係はなさそうと考えられた。
Esのピークは梅雨時であるから梅雨前線が日本列島を縦断している日は珍しくはない。
ただ、自分の経験則で言うと、雷雨時に強力なEs伝搬に遭遇することがよくあるので対流圏での気象現象がEs層発生に全く関与していないと言い切るのは疑問とも思っていた。
実際、今回の6月13~17日のEs伝搬オープンも連日雷鳴が轟いていた。
これに関しては後述する「大気重力波」で説明がつくかもしれない。

〇流星成因説
VHF波すら反射するEs層であるからかなり高密度の電気を帯びた金属イオンが上空100Kmに滞留しなければならぬ。
ではその金属イオンがどこから供給されているのかと考えると恐らく流星ではなかろうかと。
流星もちょうどEs層と同じ上空100Km辺りで大気との摩擦で蒸発するというから可能性は高い。
「Es一考察『風と太陽と流星』」でも記したがEsシーズンにはいくつかの流星群があり、時差を置いて強いEsが観測されることもあった。
ただ、なぜこの夏至を中心にしたシーズンにEsが集中するのかについては、単に流星だけでは説明が付かない。

〇「ウインドシアー理論」説
最近の研究では「ウインドシアー理論」がEs層成因の最有力説。
これは上空100Km付近の東西風の速度が高さによって変化する時、電気を帯びたイオンが特定の高度に集積されるという説。
前述した流星が齎した金属イオンがこのシーズン特有の高度の違う風の向きや速さによって集積し、太陽の影響で何らかの作用で活性化してVHF波を反射するまでに至るのではなかろうかと。
ただ、ウインドシアー理論だけでは説明がつかないEs層もあると聞くので万時解決という訳でもなさそうだ。

〇「大気重力波」説
大気重力波にも影響されている説もある。
大気重力波とは、比較的短いスケールの大気振動を指すそうだ。
「大気のてっぺん50のなぜ」サイトの解説によると積乱雲が発達する時、その上空の大気は持ち上げられる。その大気は圧力が下がって膨張し、気温が下がり、周りの大気より重くなって落ちていく。落ちた大気は周りの圧力が上がるため縮んで温度が下がって軽くなり、また上昇するという振動を繰り返す。
簡単に起こる振動なので高層大気内にはこの振動で満ちているという。
積乱雲発達などの対流圏で起きる大気重力波は更に高い高度まで伝搬し、空気が薄い中間圏ではその影響力は無視出来ない程のポテンシャルになる。
上空90km位で大気重力波は壊れて熱や力を放出。その時、中間圏の風系を変えてしまう程の影響を与える。
参考文献/「大気のてっぺん50のなぜ」https://www.isee.nagoya-u.ac.jp/50naze/taiki/10.html)
ちょうどその辺りはEs層が発生する高度。
これが上空100Kmあたりに金属イオンを集積させる原因になっているとしたら、雷雨時にEsが発生する説も強ち的外れではなさそうだ。
「キングソロモンの法則」も梅雨時の集中豪雨の際、梅雨前線に発達する積乱雲によって発生した大気重力波が遥か上空100kmの超高層大気層に影響し、Es層生成に寄与しているとしたら、これもEs発生要因の目安として間違っているとは言えまい。

恐らく、どの説も様々な多角的視点から見た相違があるだけでEs層成因としては間違っていないのだろう。
成因は朧げに分かったとして、では果たしてEsは実際にどのようなカタチでどんな動きをするのだろう。

〇Esの発生とその正体を知る
15年位前まではアナログ地上波テレビLOWチャンネルの異常伝搬テロップをEs発生の目安にしてきたが、今日では、NICT(国立研究開発法人 情報通信研究機構)のionospheric-signalサイトが便利。
日本の4か所の観測地点から得られたデータより電離層概況をリアルタイムで知ることが出来る。
見かけ高度120km以下で臨界周波数8MHzを超える強いスポラディックE層が発生するとその地域が赤く記されて明瞭だ。
しかし、あくまで「点」としてのEsデータであり、高い数値が示されていても実際はEs伝搬が観測されなかったり、その逆もあった。
また2次元的にEs層がどんな状況で生成されているかは判らない。

〇Es層を2次元視覚化する「VHF 帯電波観測によるスポラディック E のモニタリング観測 - アクティブデータアーカイブ」
ところで先日、ネットでEs関連記事を検索していると興味深いサイトを見つけた。
それが「VHF 帯電波観測によるスポラディック E のモニタリング観測 - アクティブデータアーカイブ」
これは電気通信大学,電子航法研究所,情報通信研究機構の 3 機関の共同で実施されているEs観測プロジェクト。
サイトの概要を要約すると「FM放送帯や航空航法無線帯におけるEs異常伝搬を観測の目的とし、日本国内6か所(サロベツ、大洗、菅平、調布、呉、沖縄恩納)において2019年より航空航法用VHF通信(VORなど)を定常観測し、準リアルタイムにてデータを表示するシステムを構築」しているとのこと。
そしてGPS受信機から取得された電離圏全指数(GPS-TEC)から上空100KmのEs層を可視化しているらしい。
詳細は(http://gwave.cei.uec.ac.jp/~vor/contents/roti.pdf)
どういう仕組みなのかは難しくて解らないが、要するにこれまでは推測するしかなかったEs層の現在位置や分布場所、形状、移動方向が2次元映像として手に取るように見ることが出来るということ。
これは実に画期的なサイトだ。

トップページにあるスペクトル画像の特定の時刻をクリックすると,その時間を含む 1 時間分の Es層2次元分布データが見られ、更に1 日分の ムービーもダウンロード可能。
下の図は2021年6月17日の1200JST台のEs層画像。5分毎ごとの2次元画像になって表示される。
暖色系ほど強いEs層の存在を表記しており、直感的にEsをイメージすることが可能。

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(出典:VHF 帯電波観測によるスポラディック E のモニタリング観測 - アクティブデータアーカイブhttp://gwave.cei.uec.ac.jp/cgi-bin/vor/vhf_jpn.cgi)


またNICTの日本の4か所の観測地点から得られた臨界周波数データもシンプルな表でまとめられて、一日のEs発生状況を直感的に見ることが出来る(稚内W、国分寺K、山川Y、沖縄O)。
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(出典:VHF 帯電波観測によるスポラディック E のモニタリング観測 - アクティブデータアーカイブhttp://gwave.cei.uec.ac.jp/cgi-bin/vor/vhf_jpn.cgi)

これまでは想像するしかなかったEs層の正体がいよいよ準リアルタイムで見ることが出来る時代となった。
今後はこのデータも活用し、自分が受信したEs伝搬状況と照らし合わせてアマチュアならではの考察をしていきたい。

(GPS-TEC ROTIデータ出典:https://kaken.nii.ac.jp(KAKEN:科学研究費助成事業データベース/VHF 帯電波観測によるスポラディック E のモニタリング観測 - アクティブデータアーカイブhttp://gwave.cei.uec.ac.jp/cgi-bin/vor/vhf_jpn.cgi)

(引用は出典元の科学研究助成事業サイトの利用規定にある「文部科学省ウェブサイト利用規約)【https://www.mext.go.jp/b_menu/1351168.htm】に準拠)

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IC-705周辺アイテム追加(2020年7月8日)

専用のマルチバックLC-192の容量不足を鑑みて、従来の大型リュックでもIC-705を安全に搬送出来るアイテムを探してみた。
他のユーザーの方も試されているように、ミニ三脚は必須アイテムのようだ。
自分もカメラ量販店にて2000円台の「Fotopro 卓上ミニ三脚 SY-310」 という製品を新たに購入。IC-705に装着してみると心地よくフィットする。
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角度も簡単に変えられるし、タッチパネルを操作してもぶれる事もなく非常に良い。
アイコムもアンテナを標準装備しなかった分、代わりにミニ三脚を付けてもよかったような。
さて、これらを持ち運ぶ容器としてカメラバッグを量販店で諸々物色。
あまりサイズに余裕がないとLC-192の二の舞なので、少々大きめのカメラバッグを探す。
それで見つけたのが コールマン カメラインナーバッグMサイズVCO-8744。
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内寸はW240×H180×D100.
IC-705が上向きにすっぽり入り、奥行きは2倍以上ある。やや大きすぎる感があるが、マイクを装着したままミニ三脚も含めて収納出来る。防水処理もあり。
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液晶部分はマジックテープで固定可能な中仕切りのクッションを敷いて保護可能。
IC-705には念のためプチプチの緩衝材を巻く。
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横幅も若干余裕があるが中仕切りを利用してサイズ調整可能。
余ったスペースに予備電池も入れられそうだ。
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収納してみると中で動くこともなくフィット。
これを普段移動に使っている大型リュックに入れてみると巧く収まってくれた。
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荷物が多いハイキングやキャンプを伴う移動運用にはこちらのアイテムで行けそうだ。
一方、軽装の場合は専用のマルチバックLC-192で十分だろう。
アンテナ同軸コネクターやCWジャックの形状を改めてL型に統一。
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また、本体を固定するネジが奥まで入らなかったのはやはり留め金の不良だったようで、改めて代用できる雲台ネジに交換するとしっかり固定出来た。
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電鍵ケーブルはマルチバックサイドのスリットから入れられる。
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アンテナもL型コネクターを挟んだおかげで窮屈感も解消。
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クリップ基台を介してストレスなくアンテナ交換出来る。
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これでLC-192使用感もかなり改善された。
あとはやはり運用中の液晶部分の保護をどうするか。
フィールドではいくら注意を払っても何かにぶつけることは必至。
これまで使ってきたFT690Mk2やFT-817もソフトケースに入っているにも拘らずいくつか傷がある。
ましてこれだけ液晶部分が大きいIC-705だとちょっとしたことで致命的な損傷になってしまう。
操作時以外は常に液晶を保護できるカバーが欲しいところだ。
未だ局免変更が完了していないのでIC-705での移動運用はまだお預けだが、その準備は着々と進んできた。
諸々手間や費用もかかるが、これも新しい無線機を楽しむための一環と考えればよいかもしれない。
余談だがやっとIC-705購入記念品の煎餅を開封。
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賞味期限は9月なのでまだ問題ない。缶もレアアイテム。

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マルチバック LC-192使用感(2020年7月4日)

7月1日、アイコムIC-705専用のマルチバック LC-192を購入。
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当初は導入するつもりはなかったが、移動運用時の持ち運び手段として諸々思案したものの、結局メーカー純正のマルチバックが妥当な選択ではないかと考えた。
仕様は以下のとおり(メーカーサイトより抜粋)

●寸法
約255(W)×375(H)×148(D)mm (ショルダーベルト、ハンドルを除く)
●荷室容量
約11L
●重量
約1kg(付属品を除く)
●材質
ポリエステル

●特長
・アンテナの取付が可能なサイドプレート
・BP-272が3つ入る収納ポケット
・A4サイズが収まる背面ポケット
・アンテナ/マイクのケーブル通し口
・携帯機/マイクが装着可能なショルダーベルト
・ネームプレートホルダー
・機材に応じてバッグの中を仕切る、調整可能な仕切り板を標準装備

●メーカー希望価格
¥13,800円+税

小さめのリュックという感じ。
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先着1000名のオリジナルLEDランタンはまだ付いていた。
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マルチバック上部にIC-705を納める空間がある。
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IC-705の底部にはカメラ三脚仕様のネジ穴があるのでそこに固定するネジが付属している。
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ただネジ止め素材は薄く、あまり耐久性はなさそうだ。
ネジ止め作業は窮屈。あとなぜかネジが奥まで入らない。
仕様なのか不良品のせいなのかは解らず。
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この空間の底板には手前に出っ張りがあって押し込むとIC-705が固定される。
ただこのままだと下部の操作ボタンが埋まってしまうので、使用時には少しひっぱり出さねばならない。
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マイクを取り付けたままだと窮屈感あり。収まりもいまひとつ。
収める際にはIC-705のディスプレイや操作ボタンにやたら触れてしまうから電源を入れたまま収納しないほうがよい。
また、横の空間に余裕がなく、マイクケーブルやアンテナ同軸の引き回しに難儀する。
IC-705のマイクケーブルは保護金具がアース端子にネジ止めされているので、上部の穴から通そうとするといちいちドライバーでその保護金具を脱着しなければならない。
面倒なのでやむなく正面ファスナーの隙間から外に通す。
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今回、アンテナ端子保護のために 第一電波工業(ダイヤモンド)製 ハンディアンテナ用(BNC)ユニバーサルクリップベース(回転機構付き) MCR2(MCR-2)も購入。
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これをマルチバック横の板に挟んでアンテナを取り付けるようにした。
IC-705直結よりは端子の負担は軽くなる。
だが、これもマルチバックの横幅が狭いため、端子との間に余裕がなく窮屈。
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L型端子を改めて挟むしかなさそう。
反対側のKEY端子も同様にL型ジャックでないと端子に負担がかかる。
純正マルチバックなのにもかかわらず、フィットするというよりも無理気味に押し込む感じ。
要はすべての端子類は側面の凹んだ部分からフロント幅内に収める前提の仕様で作られているので、LC-192を使う場合は、あらゆるジャックはL型必須ということになる。
はみ出てはいけないのだ。
通常のジャックの場合、アンテナ、マイク、KEYは収納時に外しておいたほうが無難。
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クリップベースを横板に挟んでGAWANTを装着。
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あと、購入する前から危惧していたのだが、トップヘビーになるのでバッグに入れたまま東屋の机やレジャーシートで運用するとバランスが崩れて、バックごと転倒し、最悪の場合、ディスプレイを破損する恐れもある。
さて、移動運用には無線機の他にアンテナ、ケーブル、資料等も必須。
必要最小限のツールでもこれだけある。
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更に三脚、アンテナポール、カメラ等も持っていかねばならない。
ツールボックスはこのままでは大きすぎるので別の袋に入れ替えればなんとか収まるが、アンテナケーブルは無理。
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こうなると、このマルチバック以外に搬送アイテムを用意しなければならなくなる。
あるいは持ち物を削り、アンテナケーブルを必要とするポケットダイポールは諦め、GAWANTとVHF用垂直ホイップのみの移動運用に限るか。
容積が小さいのは解っていたが、思った以上に入らない。
冊子が入るスペースもあるにはあるが、「ラジオ番組表」やJARLニュースがぎりぎり入るかどうか。
正直、ちょっとこれでは従来型の移動運用には使えそうになし。
運用時にICー705をバッグから出して運用するなら、敢えてこのLC-192に拘る必要もなくなる。
別途、カメラケースなりにIC-705を入れ、それごと従来の容積の大きいバッグを用いたほうが良いかもしれない。
あと防水加工はされていないので、雨天時には防水カバーも必須となる。
使用感はそれぞれなのでこれで充分と感じる人もあろう。
慣れもあるし、今後工夫を講じれば使い勝手の糸口が見つかるかもしれない。

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IC-705納品(2020年6月24日)

6月21日に予約していたアイコムIC-705が到着。
メインリグとしては1987年開局以来、三代目。
初代FT-690MK2、二代目FT-817、そして三代目IC-705。アイコム製品は初めて。
IC-705の詳細スペックについては以前のブログ参照。
ハムフェアー時のレポート
アイコムIC-705「プレ視聴会」見学
3月末発売の予定だったが「コロナ禍」で延期。やっと6月末に発売となった。
早速開封。
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予約特典の煎餅付き。
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FT-817の梱包と比べ、倍近い大きさ。
開封すると販売店サービスのコールサインステッカーが同封されていた。
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分厚いマニュアル。
FT-817も15年以上使っているが全機能の2割程度しか活用していない。メモリーにも殆ど登録していないから、このIC-705も果たしてどれだけ使いこなせるか未知数。
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内容物は本体にマイク、バッテリー、電源コード、予備ヒューズ等。
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まず、クッションシートを底部に貼り付ける。
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次にマイクロフォン。
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なぜかジャックが二つ。
マイクがスピーカーにもなるそうだが、屋外でも常置場所でも基本はイヤフォーン。
音が外に漏れるのは極力避けたいのでこれはあまり自分の無線運用スタイルに合っていない。
マイク接続に関してはFT-817のほうがシンプル。
わざわざGND端子を外してマイクプレートを取り付けるのが億劫。
ただ、無線機やラジオで故障しやすいのは物理的衝撃や圧力で接触不良による各種端子周辺。
これまでのトラブルは殆どがこの部分だった。繰り返し脱着する部分なのでどうしても無理なストレスが発生する。それを防止する工夫は必要だ。
バッテリーを装着して基本的な準備は終わる。
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FT-817の隣に何とかスペースを設けて置いてみる。
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少々不安定だがアンテナ端子に同軸ケーブルを接続して設置完了。
スピーカー端子はオーディオセレクターに接続。マイクのスピーカージャックが余計に宙ぶらりんになるが仕方なし。
局免の変更申請は昨日したばかりなのでまだ電波は出せない。
まだマニュアルは熟読していないが、取り急ぎFMとAMの受信性能を調べてみる。
FM放送帯はWFM,FMモード両方対応。
但しFMモードだと音声が「モガモガ」状態で実用に耐えず、結局WFMに戻す。
またWFMモードではデジタルIFフィルターは選択出来ないようだ。
ログペリに接続すると都内強電界域ではアンテナの向きによっては混変調、相互変調起こす。
RFゲインを変えてもあまり効果なし。
しかしアンテナの向きを調整すれば一般のFMラジオレベルの受信性能あり。
FT817よりは実用に耐える。
ただF777等のFMチューナーと比べると数ランク劣るか。
近隣CFMもチューナーで受信出来る局がIC-705では入らない場合も。
スペクトラムスコープは最大±500KHz?。FM放送帯全体を一括して表示確認は無理なのか?
マニュアルを熟読していないので表示範囲がこれ以上拡大出来るかは不明。
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次にAM放送帯。
中波帯はDPアンテナを同軸の芯線のみ接続のほうが感度上がる。
なぜか波長の合っていないV,UHF帯域のログペリで受信したほうがFB.理由はよく解らず。
AM受信性能は良好。
混変調、相互変調もなし。ノイズも乗らない。
特にデジタルIFフィルターが利いてローカル局の混信を綺麗にカット。通信型受信機並みの性能。
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昼間は1557KHzのSBS熱海も入る。
936KHzで秋田放送や宮崎放送がTBSのサイドQRMなしに受信可能。
また久しく常置場所で受信出来なかった1665KHzの東京マーチスも入感。
スペクトラムスコープでMW放送帯をほぼ一括で表示できるのは便利で画期的。
夕方と深夜の受信状態の違いが視覚的に確認出来るのもよい。
まだ暮れぬ18時台は1134KHz文化放送中心に±500KHz内にはローカル局のみが見える。
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しかし夜間にはたくさんの遠距離局が入感していることが直感時に解る。
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またここ数年前から常置場所でVHF帯に発生源不明の等間隔ノイズが発生していたのだが、これもIC-705のスペクトラムスコープで見事可視化。
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すでにスペクトラムスコープ搭載のRXを使っているユーザーからするとこれが普通なのだろうが、自分にとっては全てが新鮮。
FM放送受信はいま一つだったがAM放送はBCLラジオとして充分な性能を有する印象。
ディスプレイタッチで直感的ビジュアル的に操作、送受信バンドを把握出来るポータブル機は従来の同ジャンル機と比べてもワンランクステージが上がった感がある。

しかし、このIC-705の形状が従来のポータブル機のような「お弁当箱」型ではなく、レンガ状なため、単体で持ち運ぶ方法が思いつかない。
FT690MK2やFT-817はショルダーベルトで首から提げて容易に扱えるが、IC-705ではそのような状態で操作は難しい。
専用マルチバッグLC-192が用意されているが、背負ったままでは別途スマホ等で遠隔操作が必要だし、容量がやや少なく、徒歩移動となると別途荷物を入れるバッグが必要となる。
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FT-817ならば専用ソフトケースに入れて無造作にリュックに詰め込んでも問題なかったが、このIC-705は専用ソフトケースもなく、剥き身だとディスプレイが破損する恐れもあってそうもいかない。
理想を言えば背中でなく、前に抱えるように持ち運べるフロント型の専用バッグがあると良いのだが。
現状ではやはりLC-192を導入するのが安全な搬送方法かもしれない。
欲を言えば黒だけでなく、迷彩柄があると好みに合う。
あと、IC-705はアンテナ端子がひとつなのでHFとV・UHFアンテナ脱着を繰り返すと余分な負担がかかり、故障の原因となり得る。そのトラブルを避けるため、同軸切り替え器は必須。
まだまだIC-705を有効に使いこなすには諸々関連アイテムを整備する必要がありそうだ。

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ラックスマン製真空管FMチューナーキット製作(2020年2月26日)

数ヶ月前に購入した真空管FMチューナーを製作。
製品名はラックスマン製真空管シリーズ「真空管FMチューナーキット 『LXV-OT8』」
ムック本の付録形式になっているキットだ。
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管球式FMチューナーなど今後発売されることはめったにないと鑑み、やや高価だったが購入に至った。
詳細は以下の通り。


●ラックスマン製真空管シリーズ「真空管FMチューナーキット 『LXV-OT8』」
Stereo編 ONTOMO MOOK「電波を受信せよ! 真空管FMチューナー」
特別付録:ラックスマン製真空管FMチューナーキット
・発売日:2019年9月19日(木)
・定価:15000円(本体)+税

真空管FMチューナーキット 「LXV-OT8」スペック
 ・出力電圧(100%変調、1kHz):0.9V
・受信周波数範囲:《FM》76.0~90.0MHz《ワイドFM(FM補完放送)》87.0~108.0MHz
・50dB S/N 感度:8μV
・周波数特性:30~15kHz(-3dB)
・電源電圧:DC12V
・消費電力:3W
・寸法:180W×86H×118D㎜(脚部、突起物含む)
・質量:620g

【付属品】
ACアダプター(出力DC12V 1A)、アンテナ線(ミニプラグ付き) 、真空管(12AU7)

【付属回路】
チューニング・インジケーター、ステレオ・インジケーター、FM/ワイドFM切替スイッチ、ワイドFM・インジケーター


今時、真空管形式によるFMチューナーなど珍しい。
ラジオ全体として考えても、真空管を使った受信機は電子工作的教材アイテムやビンテージ中古品を除き、新製品として発売されることは殆どない。
1990年頃、嘉穂無線の真空管ラジオキット、TU-896というのを作ったことがある。
整流管をダイオードに変更した、5球スーパー相当の4球ラジオ。
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文系の自分にとっては半田付けに難儀した記憶があるが、紆余曲折の末、何とか完成させた。
中波ループアンテナを接続すると最新の受信機と比べても遜色ない受信性能だった。
むしろ内部雑音が少なく、受信環境に恵まれればアンテナ次第で遠距離受信も可能。
かつて、中波DXには管球式の受信機がよいとされ、その代表格となるトリオの9R59Dが今でも高値で取引されている。
何より、真空管の持つエモーショナルな雰囲気がモチベーションを高めてくれる。


さて、この真空管FMチューナーキット 『LXV-OT8』。
キットといっても躯体と基板をネジ止めするだけで、半田付けも必要なし。
工学知識がなくともムック本に記載されている組み立て説明書を見れば誰でも1時間以内で作れる。
ただ、ネックはネジでシャージに溝を切っていくタッピングネジを採用している点。
ねじ山に合っていなかったり、力を入れられないドライバーだと全く埒が明かない。
あいにく、それに合致するドライバーを持ち合わせていなかったので最初から頓挫。
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DIY店で改めてドライバーを購入する手間を要した。
それでなんとか事なきを得る。

このキットに使われている真空管は「12AU7」一本のみ。
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他の方の製作記事等を読むとラジオの受信部分に関してはシリコンラボの「Si4831」というIC一つで全て賄っているとか。
おそらくこの中央の黒いチップがそうであろう。
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このICはFMラジオを受信するための必要な機能を全て内蔵し、アンテナを接続するだけでステレオのオーディオ信号出力が可能だとか。
「12AU7」は「Si4831」で検波した後の音声信号増幅用らしいので受信性能としては同様のICを搭載したDSPラジオと基本的には変らないということだろうか?
因みにDSPラジオとは同調・検波等を"Digital Signal Processor"というデジタル信号処理に特化したマイクロプロセッサで行う方式の受信機のこと。
管球式FMチューナーと銘打ってはいるが、古典的真空管ラジオとは中身がだいぶ違うようだ。

さて、組み立ては適合したドライバーを使えば難なくあっという間に完成する。
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最後に天井板をネジ止めして完成。
フロント正面左から電源スイッチ、チューニングノブ、FM周波数帯切り替えスイッチと並ぶ。
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「FM WIDE SELECTOR」とあるが選択度切り替えではなく、FM周波数帯76~90MHz帯と87~108MHz帯切り替えスイッチ。
チューニングノブは段差なしの直線的アナログチューニング。
右側の小窓から真空管が覗ける。その脇にチューニング、ステレオ、FMワイド(87~108MHz帯)時のランプが並ぶ。
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裏側には音声ステレオ出力端子、アンテナ端子、電源端子が並ぶ。
イヤフォーン端子はないので音声出力をオーディオアンプに繋がないと聴くことが出来ない。
アンテナ端子は3.5mmミニプラグ。
付属品のアンテナコードでは貧弱すぎるのでF型接栓変換アダプターを使い、同軸ケーブル経由で外部FMアンテナに接続。

ACアダプターをコンセントに差し込み、電源を入れると真空管が輝きだす。
ゆっくりとチューニングノブを回して選局。
同じアンテナに接続したFMチューナーと受信性能を比較してみる(巻末表参照)。
感度は遜色ない。
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強電界域で起こる混変調や相互変調も発生しないし、周波数ずれも起こらない(そもそもDSPラジオではそんな現象は起きないか?)のでアンテナ次第で遠距離受信も可能。
ただ選択度が広いので隣接局との分離が微妙で同調しにくい。
ローカル局の近くに出ている信号の弱い局は受信困難。
当たり前だが周波数表示がなく、ノブの目盛りも数字が入っていないので選局に手間取る。
一方、音質はFBで同じアンプを経由してF-777と聞き比べても重厚さが勝る感じ。
真空管の仄かな灯りにエモーショナルな気分が増幅される。
基本的にこの『LXV-OT8』は安定して受信できる局を高音質で聴取するためのFMチューナーと言えよう。
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改めてFMをいい音で聴きたくなるようなチューナーだが、今や殆どの局がトーク中心。せっかく真空管で増幅された贅沢な音声も無粋なお喋りばかりでは勿体無い。


LUXMAN LXV-OT8とONKYO NFR-9X
FM放送受信情況比較リスト

受信地/東京都杉並区・受信日時/2020年2月27日0800JST~
アンテナ/5エレ八木FM・地上高6m(南西固定)

周波数(MHz) 局名

LUXMAN LXV-OT8   

ONKYO NFR-9X   

77.7 FM入間
2

3
78.0 BAY-FM(千葉)
5(ST)

5
78.2 武蔵野FM
5

5
78.6 FM富士(三ッ峠)
5(ST)

5
79.5 NACK5(埼玉)
5(ST)

5
80.0 東京FM
5(ST)

5
80.7 NHK千葉
5(ST)

5
81.3 J-WAVE
5(ST)

5
81.6 NHK前橋
-

2
81.9 NHK横浜
5(ST)

5
82.5 NHK東京
5(ST)

5
83.2 NHK水戸
-

3
83.4 FM世田谷
5(ST)

5
83.8 調布FM
4

4
84.2 FM西東京
4

4
84.7 FM横浜
5(ST)

5
85.1 NHKさいたま
4

4
86.0 NHK三ッ峠
5

5
86.6 東京FM(檜原)
5(ST)

5
88.3 J-WAVE(六本木)
5

5
89.7 INTER FM
5(ST)

5
90.5 TBS補完
5(ST)

5
90.9 YBS補完
5(ST)

5
91.6 文化放送補完
5(ST)

5
92.4 RF日本補完
3

3
93.0 ニッポン放送補完
5(ST)

5
94.6 茨城放送補完
4

4
   

   

   

 



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アイコムIC-705「プレ視聴会」見学

来春3月下旬の発売が決まった待望のオールモードポータブル機、アイコムIC-705の「プレ視聴会」が秋葉原CICV研修センターで開催。
何とか午後に時間を作って会場に赴いた。
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受付でパンフレットとアンケート用紙をもらって入場。
IC-705チラシaaa
IC-705チラシbaa
室内にはコメット、第一電波工業アンテナメーカーやハム番組を持つコミュニティーFMスペース等と共にIC-705が3台置かれ、自由に触ることが出来た。
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IC-705そのものの性能などはハムフェアー直後のブログに感想を述べたのでそちらを参照
発売日と共に12月16日に発表されたメーカー希望価格は税抜き124,800円。
想定より高いという声もあるが実売価格だと10万円ちょっとだろうか?
ハムフェアー時に語られた価格とそれ程大きな差はない。
いずれにしろ、FT-817以来、実質約20年ぶりの新しいHF+50/144/430オールモードポータブル機なので注目度が高い。
午前中の部では会場に入り切らないほどの人で埋まったとか。
大凡200人近くが訪れたらしい。
午後は比較的落ち着いて動ける人数に。
ハムフェアー以来、約3ヶ月ぶりに観るIC-705の現物はイメージより小さい。
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手元には現物大の写真が載ったチラシがあったにも拘らず、そう感じたのは如何にIC-705が画期的なコンパクト設計であることの証だ。
液晶タッチパネルタイプの無線機を扱ったことがないので、基本的な操作方法も解らぬままだが、FT-817と比べるとポータブル機としては多彩な操作性と斬新なルックスはギアとして圧倒的な魅力がある。
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左サイドにはBNCコネクターとアース端子。
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ハムフェアー展示時には見なかった底面に三脚ネジ穴と思われる部位を確認。
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これで屋外での設置方法の選択肢が増える。
またFM放送受信設定でリアルタイムスペクトラムスコープ&ウォーターフォール表示画面を見て、これはFM遠距離受信を視覚でチェック出来る画期的な機能であることに気がつく。
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受信機としても面白そうだ。
所有しているFT-817やVX-3のFMラジオ選択度はワイドのみで多信号特性も悪く、混変調や相互変調で都内の強電界域での遠距離受信には耐えられない。
IC-705はSDRレシーバーなので、それ以前のラジオと受信性能を単純比較することは出来ないが、期待出来そうだ。
また移動、フィールド運用に最適なマルチバッグ LC-192(オプション)も展示。
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標準装備なのかは不明だがハムフェアー展示時にはなかったアンテナを取り付ける金具も付いていた。
移動時に無線機をリュックに背負ったまま運用することは殆どない。
だから、使い方としては本体をバッグから出すことなく机やレジャーシートにそのまま設置し、即席運用棚として利用できないかと模索する。
だが、素材が柔らかいので安定させるのは難しそうだ。
樹木や三脚にバッグごと引っ掛けるとかすればなんとかいけそうか?
でも、あまり既成概念だけで考えないほうがよいかもしれない。
IC-705はマルチバッグに入れたまま、手元のスマホでBluetooth/無線LAN接続で遠隔操作するのが主流になるかも。


13時30分より「IC-705の魅力(午後の部)」セミナー開始。
メーカー担当者がプロジェクターを操作しながら解説。
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内容は以下に要約。
●アイコムとしては2003年発売のIC-703以来、約17年振りのポータブル機。
しかし当時は八重洲FT-817の後塵を拝してあまり売れず、不評だったと回想。
●今回は満を持してのIC-705。世界で年間1万台の生産目標を見込む。
●KX-3やFT-818に比べて操作性を重視。
●本体に標準装備されるのはマイク、DCコード、バッテリー。
●重さ1Kgに抑えるもアルミダイキャストで耐久性維持。
●ダイレクトサンプリングは24MHzまで。24MHz以上はダウンコンバージョン。理由は電流節減のため。
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●4、3インチディスプレイはIC-7300と同じ。
●BNCコネクター採用理由は軽量化の優先。M型は重くなる。
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●発売日設定は3月末が決算日だから。
●メーカースタッフの多くがIC-705に関わり、現在も設計中。
●出来るだけD-STAR利用してほしい。JARLも推奨し、自分の娘がCWとD-STARに関心を寄せているので若い世代には受け入れやすい。
●3月までに予約すればプレゼント企画も?
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講演につづいておもな質疑応答
●質問/430MHz帯にプリアンプは入っているのか? 回答/感度スペック等まだ出ていない段階。これらはまだ設計中。
●質問/アース端子は仕様決定?ネジだとなくしそう。 回答/まだ設計段階。検討する。
●10w出せる電源電圧範囲は? 回答/出来るだけ低電圧でも動かしたい。
●販売キャンペーン企画案は? 回答/SOTA等にアピール検討。
他、諸々意見等。
●CWデコード機能がほしい。
●5アマ制度でもっと若い人にアマ無線参入しやすくして。
●ベルトで携帯しやすくしてほしい。
●リニアアンプ、チューナー要望。
●モバイルバッテリーからUSB充電機能欲しい。
●ハムログ入力機能とか、OSはAndroidよりiOSがよい等。


14時20分頃、セミナー終了。
参加者もIC-705には期待大で時間一杯まで質問や要望が続いた。
基本的にハムフェアーの時のプレゼンテーションと大きな差はなかったが、メーカー側もまだまだ設計途中らしく、意見をフィードバックして今後も変更がありそう。
夕方から所用があり、「IC-705&IC-9700で楽しむ D-STAR」は残念ながら視聴出来ずに退室。
アンケート用紙に記入し、受付で渡すとアイコムの2020年カレンダーを頂けた。
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発売日、価格も決定し期待が膨らむIC-705。

FT690MKⅡで開局して17年間。その後FT817を導入し15年間。
どちらも移動運用、固定機として兼用してきた。
自分のような基本的にメイン機1台を耐久年代限界まで使い倒すタイプだと無線機に対する購入欲は15年位に一回程度しか沸かないが、今回はその3回目の波が来たようだ。
自分にとってIC-705は購入タイミング、無線嗜好(QRP移動)、またモチベーション的にも合致する稀有な無線機だ。
3月下旬の発売日が楽しみである。

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ICー705雑感

さて、今回ハムフェアで最も注目されたアイコムIC-705の個人的感想等。

配布されたパンフレット(アイコム公式サイトからPDFがダウンロード出来る)に記された主な仕様は以下の通り。
ic705カタログa
ic705カタログb

●大きさ
幅20cm×高さ8cm×奥行き8.5cm
重さ電池込みで約1Kg
●HFから50、144,430MHzオールモードカバー
D-STARのDVモードも可能
30KHzから144MHzまで連続受信カバー
●リアルタイムスペクトラムスコープ&ウオーターフォール表示
●タッチ操作対応大型カラーディスプレイ搭載
●リチウムイオン充電池(BP-272)、外部電源(13.8V)の使用が可能
●送信最大出カ10W(外部電源13.8V時)/5W(付属充電池使用時)でQRP、QRPpでの運用にも対応
●Bluetooth/無線LAN接続に対応
●GPSアンテナ、GPS口ガーを搭載
●microSDカードスロットを装備
●V/UHFに対応したホイップアンテナとスピーカーマイクが付属
●移動、フィールド運用に最適なマルチバッグ「LC-192」を用意


とのこと。

久々のフィールド運用メインのHF~430MHzオールモードポータブル機新製品。
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徒歩QRP移動運用ユーザーにとって2000年発売のヤエスFTー817とその後継機818ND以外にほぼ選択肢がなかったオールモードポータブル機。
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この約20年の間、他社にFT-817の対抗機がなかったその理由は解らない。
もっともまったく存在しなかった訳でもなく、2003年に発売されたIC-703も移動運用機として位置付けられたとも言われる。
2007年のアイコムカタログより↓
ic703カタログ

だがその割には短命で、今はもう生産中止。
2004年にFT-817を購入した際、IC-703は検討の対象にならなかった。というより知らなかった。
また、2011年頃に発売されたエレクラフト製のKX-3という無線機もQRP移動運用に特化されたリグだが、海外製ということで価格も17万円前後(本体完成品輸入代行価格サポート代含む。オプション含めれば20万円近く)らしく、なかなか手が出せない。
kx3

他は固定用に重心を置いて外部電源オンリー、車載すれば移動運用も出来なくもないという機種ばかり。
つまり、移動運用イコールモービル前提という時期がずっと続いていた。
結局、徒歩オンリーユーザーに限ってはFT-817シリーズの独断場が延々と続く結果に。
だがSOTAやフリーライセンス無線人気が上昇する中、この期に及んでやっと他の国内主力メーカーも徒歩フィールド運用をメインとしたアマ無線機需要に気がつき始めたのだろうか?


さて、このIC-705.
それぞれの観点からFT817系と比較してみようと思う。


●躯体、大きさ、重さ
初めて観る印象としては、「レンガの塊」。
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重さは約1Kg.FT-817の電池装着時と大きな差はない。
ポータブル機のイメージとしては、やはりショルダーベルトを肩や首に引っ掛けて運用する古典的スタイルが目に浮かぶ。
FT690MKⅡのような「青春ポータブル」イメージ。
しかし、このIC-705はあくまで横置き。
どうしても車載用という印象が拭えない。
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これを縦にして、昔のCB機やピコシリーズのようなフラットな立方体にし、メインダイヤルをトップに置き、ストラップを標準装備にすればポータブル機としてしっくりいくのだが、このままだとどう持ち歩けばよいのか迷う。
なので、勝手にカスタマイズした妄想イラストを描いてみる。
IC705妄想色ab
一応IC-705の背面にはベルトも通せるスリットがあるので肩掛けも不可能ではない。
もっとも、移動運用時に肩掛けのまま運用することは稀で、レジャーシートなり東屋の机の上なりに設置する訳で、実際使ってみないと何とも言えず。
いずれにしろ、もう少し形状的にスッキリさせて、スタンドも付けるとかすれば、よりベターとなる。
FT-817も横置きした場合、スタンドがないのでディスプレイが見難く難儀している。この部分だけでも使い勝手は飛躍的に向上する。
IC-705には移動、フィールド運用に最適なマルチバッグ「LC-192」が用意されている。
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カタログにも写真が載っていて徒歩移動運用をかなり考慮したオプション。
しかし、IC-703時代にも似たようなコンセプトで「LC-156」というマルチバックが用意されていたが、あまり普及した話は聞かない。
IC-703のカタログより↓
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徒歩移動運用の場合、無線機、アンテナ以外にもハイク用の備品をリュックに詰め込むので、どうしてもマルチバックの容量には収まらない。
このオプションマルチバックのみで移動運用が快適に過ごせるかどうかは何ともいえず・・。
ただ、IC-705はIC-703よりかなりコンパクトなので、単純な比較は出来ないだろう。


●操作系、ディスプレイ

最新の固定機に標準装備されたタッチ操作対応大型カラーディスプレイをポータブル機に導入した点はFT-817を大きく凌駕する。
20年近く前に設計されたFTー817系は、ディスプレイも最小限。同じボタンでいくつもの操作を兼用するので、未だに迷うことがある。少なくともIC-705のほうが操作しやすいのは明らか。
実際、移動運用でタッチ操作対応大型カラーディスプレイが必要かどうかは解らないが、最新の固定機を持っていない者からすると、非常に新鮮で面白そうだ。
問題は消費電力。このディスプレイ使用であっという間に電力が無くなったら本末転倒。
あと、移動運用は物理的に衝撃が加わる事も多々あり、これだけディスプレイが大きいと破損する可能性も大。
ディスプレイ保護のカバーも必須と思われる。


●電源

電源はリチウムイオン充電池(BP-272)、外部電源(13.8V)の使用が可能。
屋外だとこの専用充電池が切れたら、嵩張る外部電源が別途必要。
予備の専用充電池は必須。
単3アルカリ電池やエネループが使えるFT-817系のほうが汎用性は高い。


●その他の機能
最新リグであるIC-705はBluetooth/無線LAN接続に対応し、GPSアンテナ、GPS口ガーを搭載、microSDカードスロットを装備している。
当然ながら2000年設計のFT817系には入っていないので比較に意味はない。
またIC-705にはオートアンテナチューナーが搭載されていない点が残念という声も聞く。
移動時にアンテナのマッチングが面倒になるので、あるに越したことはないのだろう。自分はオートアンテナチューナーを使ったことがないが、アンテナカップラーでHF帯のアンテナ調整は確かに面倒だった。
今はGAWANTで簡単に調整できるのでQRPPであれば、オートアンテナチューナーがないFT-817でも問題なし。この点はIC-705でも同様だろう。


●価格
IC-705の実売価格予想は10万円前後になるとネットでは噂されている。
FTー818NDの実売価格は8万円弱前後。
機能差を考えるとIC-705が高すぎる感じはしない。


●個人的感想としてIC-705導入の可否
1987年に開局し、FT690MKⅡで17年間。
2004年にFT817を導入し、15年間。
どちらも移動運用、固定機として兼用してきた。
他はミズホP-7DX(7MHzCWQRPP機)とスタンダードVX-3(144、430FMハンディー)だけ。
現在FT817は所々ガタがきて、八重洲のサービスへ修理に出している。
FT-690MKⅡはここ10年以上使用しておらず。
10Wリニアで電源は入るが電池ボックスが液漏れで破損。移動運用には使えそうにない。
FT690MKⅡからFT-817に乗り換えたときは、690MK-Ⅱの受信機能等に劣化が見られ、アフターサービスも終了している上に50MHzオンリーの移動運用はややマンネリ化していたという状況もあり、新機種導入は時間の問題でもあった。
だが今のFT-817は基本的に過不足もなく、自分の無線スタイルとしてはまだまだ使っていけそう。
これまで殆どQRVしていなかった18~28MHz帯もGAWANTアンテナを使えばこのFT-817で十分QRP交信が楽しめる
しかし、最近のFT8やD-STAR等のデジタルモードは対応が難しい。
無理してデジタルモード交信しなくともよいのだが、GPSで経路を記録したり、最新のディスプレイで操作してみる楽しみも捨て難い。
この辺りで、IC-705を導入してもタイミング的には悪くはないとは思う。
まあ臨機応変にFTー817と併用してもよい訳だから、メインリグ更新として視野に入れておきたい。


●ハムフェアーでのプレゼンテーション
今回のハムフェアではIC-705のプレゼンテーションとフォトセッションが何回か組まれていた。
初日は相当混雑していたようだ。
宣伝の仕方も巧い。ハムフェアー前に一部輪郭部分だけを公表し、興味を掻き立てる。
アイコムブースのIC-705コーナーはアウトドア風のディスプレイで「待望のオールモードポータブル機」であることを演出する。
それが功を奏してか、常に人垣である。
プレゼンテーションとフォトセッションは写真撮影もプログ掲載もOKということで、空いた9月1日の13時30分台に開かれた時間帯に見学する。
カタログにも掲載されたマルチバックを背負ったモデルMasacoさん(局免持ち、JARL広報大使でもある)が登場し、ポーズをとる。
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体の小さい女性と比べても確かにコンパクトだ。
もし、このIC-705が大ヒットしたら、新たなる移動運用ブームが来るかもしれない。
アニメ『ヤマノススメ』や『ゆるキャン』などでソロキャンパーは増えたらしいので、メーカーやJARLがアウトドア界隈とタイアップキャンペーンを展開し、萌えキャラクターで移動運用アニメを地上波や動画サイトで放映配信すれば、まったくありえない話でもない
他のメーカーも呼応して次々に同様なポータブル機を発売。パナソニックも半世紀ぶりに新RJXシリーズを復活なんて時代が来るかも。
あるいは逆にIC-703と同様に煮え潰れ、結局2020年以降もFT-818が唯一HF~430MHzオールモードポータブル機として細々と生き長らえる運命なのかもしれない。

いずれにせよ、このIC-705が新世代ポータブル機の新たな波を呼び込んだことだけは間違いない。

最後に主な現有のHF~50MHz/144/430オールモードのポータブル機とIC-705のスペック比較表を作ってみた。



●2019年9月現在/公式サイト製品カタログから抜粋(詳細はメーカーサイト確認のこと)

  YAESU FT-818ND KX-3
ICOM IC-705
送信周波数範囲 1.9MHz帯 ~ 50MHz帯
144MHz 帯、430MHz 帯のアマチュアバンド
4630kHz( 非常連絡設定周波数)
1.8MHzから50MHzまでのアマチュアバンド HFから50/144/430MHz
受信周波数範囲 100kHz ~ 30MHz
50MHz ~ 54MHz
76MHz ~ 108MHz(WFM のみ)
108MHz ~ 154MHz
420MHz ~ 470MHz
(代理店サイトには記載なし) 30kHzから144MHz帯まで連続カバー
モード A1A(CW)、A3E(AM)、J3E(LSB/USB)、F3E(FM)、
F1D(9600 bps packet)、F2D(1200 bps packet)
SSB,CW,データモード(4種),AM,FM SSB/CW/RTTY/AM/FMに加えD-STARのDVモード
定格送信出力
(アマチュアバンド内)
6W(SSB/CW/FM)、2W(AM)
6W/5W2.5W/1Wの4段階の設定
出力可変範囲0.1~10W(高効率10W/5Wの2台のパワーアンプ内蔵)
KXPA100 オプションにより 100W
最大出カ10W(外部電源13.8V時)。付属のリチウムイオンバッテリーBP-272(7.4V 2000mAh)装着時は、最大出カ5Wでの運用が可能。QRP(5W)QRPp(0.5W)にも対応
電源電圧 外部電源:定格 DC13.8V ± 15%(マイナス接地)
(使用可能電圧:DC8.0V ~ 16.0V)
内部電池:単三乾電池 DC12.0V
SBR-32MH DC9.6V
13.8V
単3型ニッケル水素電池 8本 内蔵可能
外部電源13.8V
付属リチウムイオンバッテリーBP-272(7.4V 2000mAh)
外形寸法 (W x H x D) 135 mm x 38 x 165mm (突起物含まず) 188x86x43mm(オプション無し)
約200mm×約80mm×約85mm
質量 約900g:本体のみ(乾電池、充電池、アンテナ、マイクは含まず) 680g(オプションを含まず) 約1kg(充電池BP-272含む、アンテナ除く)
実売価格(19年9月現在) 8万円弱前後

169,248円(本体完成品輸入代行価格サポート代含む)価格表参照

10万円前後を予定
発売日 2018年3月(原型のFT-817は2000年) 2011年 2020年3月発売開始を目指す
その他 充電式のニッケル水素電池(1900mAh)を標準付属している他、単3形乾電池運用、外部電源による運用など多彩な電源供給に対応し快適なポータブル運用が可能。
・充電式電池運用:ニッケル水素電池パック(9.6V 1900mAh)標準付属
・乾電池運用:単3形アルカリ乾電池8本による運用(乾電池ケースは標準付属)
・外部DC電源運用:外部電源ケーブル(E-DC-6) 標準付属
小さなサイズに関わらず1.9~50MHzの全てのアマチュアバンドをオールモードでカバー、大型固定機に
迫るDSP機能をフル活用可能。(詳細は公式代理店サイト参照
●RFダイレクト・サンプリング方式を採用
●リアルタイムスペクトラムスコープ&ウオーターフォール表示
●タッチ操作対応大型カラーディスプレイ搭載
●リチウムイオン充電池(BP-272)、外部電源(13.8V)の使用が可能
●送信最大出カ10W(外部電源13.8V時)/5W(付属充電池使用時)でQRP、QRPpでの運用にも対応
●Bluetooth/無線LAN接続に対応
●GPSアンテナ、GPS口ガーを搭載
●microSDカードスロットを装備
●V/UHFに対応したホイップアンテナとスピーカーマイクが付属
●移動、フィールド運用に最適なマルチバッグ「LC-192」を用意

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移動運用心得、備忘録2019

2001年より移動運用記をブログに記録して、2019年新春までに延べ移動運用回数も210回を超えました。
これまで特に自分の移動運用に関するスタンスは記してこなかったのですが、世の時流と共に変化する昨今の移動運用環境を鑑みて、これまで得た経験などから移動運用の現状や将来への展望などを年頭に当たって備忘録的に綴ってみることにしました。
あくまで個人的見解ですので、必ずしもこれが正しいというものでもありません。
移動運用を嗜む各位が自己責任の下で判断し、今後の移動運用ライフの参考になれば幸いです。

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●自分のアマ無線、ライセンスフリー移動運用のスタイル
1987年にアマ無線を開局して以来、一貫して徒歩、公共交通機関を使ったシングルQRP運用(5W以下)に限られます。
モービル運用や多素子指向性アンテナ、5W以上の運用、移動地での広い占有スペース確保が必要なテント、発電機の使用、更には複数人でのグループ移動運用(無線とは無関係な知人、家族とのハイキング等は除く)に関しては範疇外ですので、ここでは述べません。
また、ライセンスフリー無線は、基本的に特定小電力のみの運用です。
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●移動時の機材、運用バンド一覧(2019年1月現在)
○無線機
<アマチュア無線>
FT817&VX-3
<ライセンスフリー>
ユニデンSLT001(特定小電力無線)
○運用周波数
<アマ無線>
50~430MHz中心。
最近は21~28MHz帯にもQRV可能に。
出力は電池運用で0.5~1W.
<ライセンスフリー>
特定小電力422MHz帯10mW
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○アンテナ
<アマ無線>
50~430MHzSSB,CW/ミズホのポケットダイポールPAN-62(FT817使用時)
およびローディングホイップ
144・430MHzFM/DIAMOND SRH805S(VX-3使用時)
21~28MHzSSB,CW/ GAWANT
7MHz~28MHz/BNC750
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●移動運用地の選択
私が行う移動運用場所は主に公共交通機関と徒歩で日帰りアプローチ可能な東京近郊の小高い丘、展望台、高層ビルの展望ロビー等です。
移動運用地を選ぶ基本的スタンスとしては
1.従来から移動運用地や夜景スポットとして周知されている見晴らしのよいパブリックスペース。
2.公式サイトや現地掲示板に無線禁止の明記がなく、特に許可を要しないパブリックスペース。

を基本的な選択条件にしています。

●移動運用地別運用例
○展望ロビー
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2012年、当ブログにて「東京スカイツリー展望台からの移動運用を考察する」と題して、高層ビル展望ロビーにおける移動運用に関して述べたことがありました。
もうあれから7年経っていますが、今尚東京近郊にてV~UHF帯のQRP移動運用地として高層ビルなどの展望ロビーパブリックスペースは欠かすことが出来きない貴重なポイントです。
どなたかが高層ビル移動を「アーバン移動運用」と呼称される位、アマ無線、ライセンスフリー問わず盛んなジャンルかと思います。
都心部には多くの高層ビルが林立し、その中には無料、有料問わず高層部に展望スペースが設けられており、無線運用が可能です。
東京のような密集地で多くの局と交信する場としてはアクセスの利便性含め、コストパフォーマンスが優れています。
但し、スペースは狭く、人も多いため、主にQRPハンディ機での移動運用に限られます。
私は主にスタンダードVX-3を使用します。
非常にコンパクトでウエストポーチに入れておけば意識せずに持ち運べます。
アンテナは直付けのヘリカル。出力は1W以下。
運用時間は大体1時間以内に納めます。当然イヤフォーンを使用。
夜景など眺めながら運用すれば飽きることもありません。

●山、丘陵
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東京近郊で公共交通機関と徒歩で移動運用可能な場所はかなりの数に上ります。
昔から高尾山系、御岳山系等は移動運用のメッカ。
多摩丘陵地帯を含めれば数え切れないほどです。
徒歩移動は体力を使うので出来るだけ荷物は軽くし、8Kg程度に留めます。移動時はハンドフリーにしたいので荷物は出来るだけリュック一つにすべて収めるのがベターです。

屋外移動時の持ち物
機材一覧
●無線機/ヤエスFT817
FT817は荷物の限られる徒歩での移動運用定番無線機。オールモードで HF~430MHzまで手軽に出ることが出来る。重さは1Kg強程度。内部電池では最大出力2.5W。
電池消耗を考えると0.5Wに絞ればエネループでもかなり長時間運用可能。
●スタンダードVX-3
超小型144/430FMハンディー機。
ラジオや業務無線も聞くことが出来て、現地でのFM放送受信状況を調べる特にも役に立ちます。
●ユニデンSLT001
特定小電力トランシーバー
●ラジオ/ソニーSRFM-100
AMステレオ受信可能。小型ラジオにしては受信性能がよく、VX-3と併用して屋外BCLに使用。
●サンヨーICRーRS110M(ICレコーダー付)
受信音声録音用
●アンテナ/ミズホポケットダイポールPAN-62
1.5mのロッドアンテナを2本使用し、6mバンドの半波長分の長さになる。
コンパクトで屋外QRP移動運用の定番アンテナ。
●ローディングホイップ
FT690Mk2に付属していた6m垂直アンテナ。
●電鍵/ミズホBK1S
超小型電鍵。
アンテナポール「SポールⅡ」
重さ580g。縮めた時の全長は55cmほど。三脚と共に30Lのリュックにも収めることが可能なので移動運用には便利な伸縮棒。
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●カメラ三脚
アンテナポールの基盤用。
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●その他
アンテナ同軸ケーブル、電鍵コード、エネループ電池、マイク、アンテナ変換コネクター
ラジオ番組表、JARLニュース、手帳、ボールペン。
これらはB5サイズの収納ボックスに収まります。
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●迷彩リュック
サイズは30L程度であれば移動用機材等もほぼ収まります。

●迷彩シート
大凡2m四方のもので2千円位で入手出来ます。

●迷彩ネット
アンテナポールや三脚に覆えばカムフラージュに役立ちます。

●登山用ストック
山登り時には必須。

これでQRP0.5W~1Wで3~4時間は移動運用可能です。

●運用中の注意事項
無線禁止の明記がない場所であれば、基本的に最低限のマナーさえ守ればパブリックスペースでの運用で支障が発生するケースは経験上殆どありません。
これまで1987年開局以来、30年以上に渡り、延べ200回以上の移動運用を経験してきましたが警察の職務質問を受けたのは1回だけ。
警備員や管理者に注意されたのは2~3回程度。
これらはいずれも2001年9月のアメリカ貿易センタービルテロ事件直後だったり、住宅密集地に隣接していたり、売店等営業地域に近い場所でした。
マイナーな趣味ゆえに「アマチュア無線の移動運用」が如何なるものか移動地の管理者がすべて理解している事は稀です。
同じ場所でも時と場合、また担当の人によって対応が違ったりして一貫性がないこともあります。
明確な基準がないので、回答も曖昧なままです。
現在は未確認ですが、10年ほど前、都立公園の一部には「アマチュア無線等で公園の一部を占用利用する場合は、公園管理所への届出が必要です」という掲示がありました。
六道山公園(2009年4月)↓
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シングル移動運用でポケットダイポール程度の利用が「占用」に当たるかどうかは微妙でした。
2012年9月、都立の長沼公園内で移動運用中、管理者に声を掛けられたことがありましたが、アマ無線であることを伝えたところ、問題なく移動運用を続けることが可能でした。
ですのでその日、思い立ってすぐに出発する徒歩レベルのシングルQRP運用では、事前許可云々は現実的ではありません。
許可が出るまで三日くらい待たされるというケースもあるようでした。
勿論、「無線禁止」の表示がないからといっても「グレーゾーン」であることは常に心得ておくべきでしょう。
パブリックスペースに記される注意や禁止事項に記される項目は、大抵カメラ撮影、ドローン、ラジコン、犬の散歩、テント設営、焚き木、自転車、トレールランニング、釣りなどに関してです。無線に関してはっきりと是非を表記しているケースは稀です。
以下は其々の場所で撮影した注意事項が記された掲示板の例です。
タワーホール船堀(2016年3月)↓
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あさひ山展望公園(2016年3月)↓
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長尾台遺跡公園(2016年)↓
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多摩市桜ヶ丘公園(2016年9月)↓
IMGP8905

生田緑地(2018年)↓
IMGP8835a

仏果山山頂(2017年4月)↓
IMGP2690

昭和記念公園(2018年5月)↓
IMGP9054aa

どの場所もアマ無線等移動運用に関しての詳細な項目は特段設けられていないようです。
近いものとしてはラジコン等ですが、これは無線そのものというより操縦する飛翔体に対しての注意と思われます。
その理由として、そもそも無線の移動運用自体が他のアウトドア趣味と比べ、愛好者の絶対数が少ないので敢えて表示する必要性がないのかもしれません。
よって無線に限っての規則が明記されていないパブリックスペースにおいては、移動運用は「グレーゾーン」と考えたほうがよいでしょう。
この場合「その他、人の迷惑になる行為」を基準にして移動運用の是非を判断します。
人によって何が迷惑行為なのか明確な基準というものはありませんので、これはもう「一般常識」に委ねるしかありません。
例えれば
1.風光明媚な場所では視界の妨げにはならない。
2.スペースを長時間、広く占有しない。
3.音を極力出さない。
4.風景に溶け込んで目立たない。

ということでしょうか。
万一運用中、管理者から中止を求められたらおとなしく撤収する等、ケースバイケースとして柔軟に応対していくのがベターでしょう。

●移動運用は思いのほか「孤独」
IMGP3464a
徒歩でのシングル移動運用は思いのほか「孤独」な趣味です。
最近はライセンスフリーの方をよく見かけることが増えましたが、基本的にコンテスト等を除き、移動運用地で「同好の志」と出会うことは思ったより稀です。
更に一般のハイカーすら殆ど遣ってきません。たまに通り過ぎるか暫く休んでいく程度です。
GWなどの行楽期間や著明な山頂、展望台、展望ロビーを除いては、基本的に運用場所には「誰もいない」のです。
移動地に向かうバスにも、乗客が自分ひとりだけという例も少なくありません。
むしろ移動運用では他の利用者に迷惑をかけるより、自分の身の危険を感じるケースのほうが多かった気がします。
ホームレスの塒だったり、挙動不審な単独男性がうろついていたり、素行不良な若者が屯していて逆にこちらが自主的に退去したケースのほうが多い位です。
更には野生動物やスズメバチの出現も注意。
単身移動運用だとこれらも自己責任として対応しなければいけません。

○これからの移動運用を考察する
●昔は何でもフリーだった
1970年代頃までパブリックスペースである公園等では、キャッチボール、喫煙等は基本フリーでしたし、犬の糞も放置状態でした。
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展望台や展望ロビーには普通に吸殻入れが置かれていました。
なぜならそれが「当たり前の日常」だったからです。
ところが現在これらの行為はすべて禁止行為かマナー違反とみなされます。
キャッチボールは人を怪我させる恐れありとして今は原則として公園内全面禁止に。
タバコも喫煙自体が健康を害するという概念が定着して特定の場所以外での喫煙は、屋外であっても受動喫煙の恐れありとしてほぼ出来ません。
焚き火や焼却炉でのゴミ焼きも「ダイオキシン問題以降」禁止。
落ち葉すら「燃えるごみ」として集めないと顰蹙を買う世の中。
ドローンも自由には飛ばせません。
世は「クレーム社会」で、管理者はトラブルを恐れ、些細なことでも禁止にしていきます。
そんな状況下、アマチュア無線やライセンスフリーの移動運用が、いつまでも自由である保障はありません。

●無線運用が制限される場所の増加
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実際のところ、近年「無線禁止」になるパブリックスペースが増えています。
特に高層ビル展望ロビー等公共施設内の無線使用が制限されるケースが目立ってきました。
2019年1月現在、主だった都内展望スペースで無線運用が規制されているとの情報があるのは、私の知る限り、以下の場所です。
東京スカイツリー展望室
新宿都庁舎展望室
練馬区役所展望ロビー
文京区役所展望ロビー
六本木ヒルズスカイビュー
江戸川タワーホール船堀

ここに上げた場所以外にも規制が入っている可能性もあります。
(但し、これら全てを実際に現地で確認している訳ではなく、ネット等からの情報も含まれているため、場所に寄っては可否が異なっている可能性もあります。
また時期や担当者によって対応が異なる場合も考えられます)
これらの多くはスカイツリーと都庁舎を除き、以前は運用が可能な場所でしたが、最近になって規制が入った様子です。
貴重な展望スペースで移動運用が実施できなくなるのは大変残念です。
明確な理由はわかりませんが、近年ライセンスフリー無線が盛んになった事やパブリックスペース迷惑行為に対するスタンスの変化、クレーマーに対する過剰反応等、様々な理由が推測されます。
実際、2018年10月に練馬区役所に展望ロビーでの無線規制理由を問い合わせたことがありました。
その際の練馬区総務部総務課長から頂いた回答を抜粋します。

「展望ロビーにおける無線通信については、来庁者および隣接する
会議室利用者から通信音等に対し、これまでに多数のご意見が寄せ
られてきた経緯があります。
 (中略)
 この度の通信機器類の使用をご遠慮いただく旨の表示については、
周囲を気にせず音を出したり、飲酒をしながら通信行為をしたりす
ることに対しご意見をいただくなどこれまでに寄せられた展望ロビ
ー利用者からのご意見の積み上げにより判断に至ったものです。
 展望ロビーのある本庁舎20階には、レストランや会議室もあり、
ご家族連れからご高齢の方まで幅広い多くの皆様にご利用いただい
ております。なにとぞご理解いただきますようお願い申し上げます。」

(30練総総第950号)

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いずれにしろ、管理者としては無難で安易な「規制」という手段を取らざるを得なくなったのかもしれません。
今後、既存の展望スペースも昨今の時勢を考えると無線規制される可能性も否定できません。
貴重な高層ビル移動運用を継続可能にするために、極力他の利用者の迷惑にならないよう、努める必要があります。
具体的には、出来るだけ目立たぬよう、無線機はハンディー機のみ、運用も静かにイヤフォーンを使い、単身での運用に努める、運用時間も極力短時間で、多人数のアイボール場所にはしない等の気遣いが必要と思われます。
一方で、管理者側も一律に無線を「迷惑行為」として規制するのはあまりにも安直です。
「迷惑行為」の掛かる要素が「騒音」、「占有」とするならば、無線であったとしても禁止するのは長時間のフォーン運用に限るべきです。
すなわち、長時間占有を伴わない電信やデータ通信ならば規制する理由がありません。
電車内でも電話は迷惑行為になりますが、スマホ携帯でのメール、SNS書き込み等は特に限られたスペースを除き、実情はフリーです。
また、展望ロビー等での三脚を使う撮影は禁止でも、手持ちの撮影は可能な場所も多くあります。
これらと同様に、無線も規制するならば長時間占有のフォーン運用、あるいはイヤフォーン使用必須に限る決まりにすれば妥協点は作れるはずです。
ですので掲示する注意書きには
「無線等、迷惑行為云々一律禁止」
ではなく
「長時間占有を伴う電話無線交信、もしくはイヤフォーン不使用に限り禁止」
という掲示に改めるのが正しい。
とはいえ、管理者全てがアマチュア無線やライセンスフリーの実情を詳細に知っているとは限らず、これを周知させるのは至難の業かもしれません。

●展望ロビーそのものの減少
また、最近展望ロビー自体が消滅する傾向にあります。
新宿NSビル(30階展望ロビー2010年頃廃止、29階に小規模な展望可能なパブリックスペースあり)
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新宿住友ビル(51階展望スペース2017年3月廃止)

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新宿センタービル(53階展望スペース2016年3月廃止)

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これらは以前、最上階に無料の展望スペースがあったのですが、フロアごと会議室等に改装されてしまいました。
また、近年新築される超高層ビルには、初めから無料展望ロビーを設けないケースも多く、次第に「アーバン移動運用」の場所が少なくなっていく傾向にあります。

●最近は受信だけでも規制される?
無線に限らず受信オンリーのレシーバーすら安泰ではありません。
昨今、自衛隊や在日米軍のイベントでも無線機はおろか、航空無線のレシーバー、ラジオまで持ち込み禁止になるケースを耳にします。
2018年米軍三沢基地祭ではそのような規制が存在したそうです(参照先)。
かつては普通に持ち込めた機器がNGになるというのは「通信運用上の支障になる」という理由以上に奇異な印象を受けます。
スマホや携帯でかつてないほど高周波に満ちている今、正規のQRP無線機やラジオごときで「支障」が出てしまうそんな柔なセキュリティーレベルなら有事の時は大丈夫なのか、こちらが心配になります。
それにスマホに個々の末端同士で通信機能を有するアプリを入れたら立派なトランシーバーです。
どう区分けするのでしょう?結局「見た目」でしょうか?困ったものです。

●クレーム天国の憂鬱
いずれにせよ、今やあらゆる場所で監視カメラや個人所有のスマホカメラが狙っており、こちらに齟齬がなかったとしてもネガティブな印象でSNSに上げられる危険性は常にありえます。
また、なんでも白黒はっきりさせる傾向が強まり、コンプライアンス(法令順守)の徹底により、フレキシブルで柔軟な思考が失われ、少しでも「人と違うこと」を危険視する状況が増えつつあるのも確かです。
少子高齢化も加速し、世間はますます「貧すれば鈍す」の流れで息苦しく、世知辛くなっていきます。
今後、この傾向は強まることはあっても緩和されていく感じはしません。
いずれ、移動運用が「標的」とされる時が来るのは想像に難くありません。
このままだとアマ無線、ライセンスフリーというマイナーな趣味ですら遅かれ早かれ、ドローン同様に規制管理の対象になるかもしれません。
そんな息苦しい世の中で、これから無線の移動運用はどう対処すべきか、ちょっと考えてみました。

●結局「見た目」?極力目立たない運用に努める
たとえ無線運用可能なパブリックスペースだとしてもネガティブな印象を持たれる可能性を少しでも減らすためには、如何に「目立たないか」が重要になってくる気がします。
展望台、山頂等でも出来るだけ人目につかない場所での運用と服装に努める。
いずれアンテナポールやステー等は断念し、身に着けた無線機に直付けせざるを得なくなるでしょう。
迷彩服、迷彩シート、迷彩ネットで姿を風景に溶け込ませ、運用もイヤフォーンを使い、QRPPでデータ通信、電信オンリーにすればハイカー等に気づかれずに済みます。
実際、高尾山で迷彩ネットを三脚に絡ませて運用したこともあります。バードウオッチャーに偽装する効果もありました。
ただ、見る人によっては逆に「怪しい」と思われる可能性もあり、実施する場合は自己責任で。
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また敢えて家族連れやデートを装って一般ハイカーとして「日常に紛れ込む」運用も有効かも知れません。
家族団らんという日常風景に溶け込みつつ、交信に励むのです。
結局は全て「見た目」なのです。
問題は移動運用に協力的な知り合いやパートナーを確保出来るかが課題ですが。

●スマホ、携帯型の偽装無線機活用
高層ビル等の展望ロビーでの移動運用でも無線機器自体を偽装して周辺の状況に溶け込ます方法もあります。外観をスマホ、携帯そっくりの躯体にして恰もSNSを閲覧しているかのように偽装すれば怪しまれない。
無線は規制しても、スマホ、携帯を禁止するスペースは稀です。
スマホも「無線機の一種」であることは事実なので、こういった「規制」は矛盾に満ちているのですが、管理者に説得しても徒労に終わるのが常。
結局は見た目の問題。
すでにスマホ仕様のIP無線機も発売されているようです。
スマホ型IP無線機「TEK-7T506A」
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また日本では使用できないもののトランシーバ機能がメインの中国製アンドロイドスマホも存在します。
NOMU T18
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日本の無線機メーカーがやる気になればすぐにでも開発可能でしょう。
いずれサードパーティーや無線機メーカーがスマホそっくりのRXを販売する日がくるかもしれません。

●狭いスペースで多人数の「アイボール」は行わない
移動地でのアイボールは楽しいものですが、狭いエリアで多人数がワイワイやると、自ずとスペースをそのグループだけで占有してしまい、他の利用者からあまりよい印象を受けません。
前述したように、以前は別に問題にならなかったことがクレームの対象になったりする息苦しい時代です。
ビルの展望ロビー等でのアイボールは避けて、出来るだけ広い人気の少ないパブリックスペースか談話可能なカフェで実施したほうが無難でしょう。

●移動運用に萎縮しない
逆にあまり自意識過剰になって周りの状況ばかり気にしだすと、移動運用自体楽しめなくなります。
これも前述しましたが、経験上、行楽シーズンを除いて、大多数の移動運用地には殆ど人がいません。
著しい占有や大勢で喧しく騒ぎ立てる運用をしていない限りは、殆ど誰も気にもしていないものです。
むしろ好奇心で話しかけてくる人のほうが多い位。
行楽地や山で目立つのは無線より遥かに趣味人口が多いトレイルランニングとかで、移動運用が矢面に立つことは(今のところ)あまりありません。
最低限のマナーを守っていれば、ハンディー、ポータブル機程度のシングルQRP移動運用で萎縮する必要はないはずです。
過剰な萎縮は自らの首を絞めることになります。
ネガティブなアクションをするのはごく一部の人間でしかありません。

●JARLの移動運用啓蒙
個人の力ではなかなか世の中の趨勢に抗うことは出来ません。
やはりアマチュア無線界最大の組織JARLが移動運用に対するポジティブな啓蒙に努める事が求められます。
JARL主催のフィールドデーコンテストや山や公園を対象にするアワードも盛んです。
これらが継続して楽しめるためにはアマチュア無線、ライセンスフリー移動運用の啓蒙周知が大切なことは論を待たないでしょう。

●アマチュア無線とライセンスフリー無線の関係性
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最後にこの両者の関係性について少々思うところを。
現在、アマ無線局免許者数が減少の一途だということです。
総務省「無線局統計情報」によると2018年8月の時点で42万224局とのこと。
過去最高は1995年3月末に記録した136万4316局。

その頃と比べると相当な減少です。
一方で、近年、ライセンスフリーの移動運用に人気が出てきたようです。
久しく新製品がなかったCB無線機が中小メーカーから発売され、完売するなど活況を呈しています。また新しい小電力コミュニティー無線機アイコムIC-DRC1が発売され、新たなライセンスフリーのジャンルが増えつつあります。
移動運用地に行くと、ライセンスフリーの方を見かけるケースが増えてきましたし、アイボールしてお話を伺ったりする機会も増えました。
時にはグループで楽しまれている方々も居ます。
もっとも1980年代、まだアマチュア無線が20~30代中心に活況で移動運用が盛んだった頃も似たような状況だったので、昨今のライセンスフリー移動が特段目立つという訳でもないのです。
当時の『ラジオの製作』記事など見ると、移動運用地に読者集合企画等載っており、むしろ当時のほうが賑やかでした。
自分はメインがアマ無線ですが、移動運用スタイルは殆どライセンスフリー無線と変わりありません。
ですので、この両者を区分けする考え方はナンセンスですし、意味もありません。
自分も1990年代末より、某CFMリスナーが中心となったグループで特定小電力無線を使って「フォックスハンティング」や遠距離交信実験を楽しんで1998年頃には無線雑誌の取材を受けたこともありました。
その頃は「フリラー」という言葉もない時代で、特小をレジャーや業務以外で使用するのが稀だった時代です。
当時はライセンスフリー無線がこんなに人気になるとは思ってもみませんでした。
10mwでDXを競うのは、何もアマ無線の専売特許ではありません。
特小や簡易デジタル(登録局)でアマ無線的交信をしてはいけない等という決まりもないはずです。
一方でアマ無線がQSL発行必須であることに毛嫌いするフリラーの方もおられるようですが、別に絶対条件である訳ではなく、昔からアマ無線家にNO QSLerはいくらでもいました。
偏狭な考えに凝り固まって一方を否定したところで得るものは何もありません。
臨機応変に楽しめばよいのです。
自分は今のところ、ライセンスフリーラジオは特小のみの運用ですが、小電力コミュニティー無線には関心が高く、導入も検討中です。

以上、私見ではありますが、移動運用に関する考察を述べてみました。
今後ともアマ無線、フリーライセンス無線共々末永く楽しむための参考になれば幸いかと存じます。
73&88.

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国土地理院5メートルメッシュ標高データとKASHIMIR 3Dで移動運用地を探す

先日、『武蔵野と水辺』というサイトで興味深い画像を見つけた。
KASHIMIR 3Dという高機能地形アプリで作られた関東平野の地形図。
さまざまな地形データを基に立体表示したりその断面図や俯瞰図などを作成出来るというフリーウェア。
よく無線サイトでも見通し距離図解で利用されているのを目にする。
この地形図は国土地理院の5メートルメッシュ標高データを元にKASHMIR 3Dによって立体視覚化されたもの。現在のところ最も精細な標高データらしい。
そこで自分もKASHIMIR 3Dの「スーパー地形セット」を試しにダウンロードし、同様の武蔵野地形図を保存してみた。
まず全体像。
関東平野
これを見て直感的に浮かんだのは多摩川の流れた遍歴である。
『武蔵野と水辺』によると、かつて多摩川は、現在のように南東に下っていたのではなく、北東方向に流れていたのだという。
今の不老川、入間川辺り。そして荒川と合流していたと。
地形図をよく見ると、確かにその辺りに大河が流れた痕跡が見受けられる。
更には柳瀬川、黒目川辺りにも同じような痕跡が。
青梅辺りを要とした巨大な扇状地を形造ったのが多摩川であると。
関東平野26a
昔の多摩川は武蔵野の地を何度も大氾濫させて流れを変え、東京湾に注ぎ込んでいた。
ある意味、武蔵野はつい数世紀前までこの多摩川による氾濫平原だった。
「武蔵野はかつてはススキの野」と言われたのも頷ける。
樹木は大木に育つ前に多摩川の氾濫であっという間に流されてしまったのだろう。
今、住宅が立ち並ぶ東京都下の市街地は、かつては果てしなく続く湿地帯だったのだ。
また、多摩湖のある狭山丘陵の形も典型的な「中洲」の形をしている。
地形図の左側上流から流れてきた多摩川は狭山丘陵を流線型状に削り、今の柳瀬川に沿った流れ方をしていたのだ。
関東平野28a
まるで火星探査機が撮影した太古の火星氾濫平原と中洲画像を彷彿とさせ、興味深い。
以下はその衛星画像。
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nanedi
時は流れ、立川断層の隆起によって、地殻変動が起き、流れが北東から南東に変わって、現在の位置に落ち着いたとのこと。
実にダイナミックな多摩川の歴史。
これまで多摩川の流域変動は概念的に朧げにしか解らなかったが、この地形図を見て一発で理解できたのは驚きだ。
それも想像していたよりも遥かにスケールが巨大だ。
入間川、柳瀬川周辺にあのような巨大河川痕があることなど、これまでの地図ではまったく気がつかなかった。
人工物や樹木をカットした5メートルメッシュ標高データを活用したKASHIMIR 3Dで関東平野を俯瞰すると地学的好奇心に灯りが点る。
更に細かく見ていくとまだまだ興味深いところが見つかる。
府中市にある標高79mの浅間山は移動運用でも有名な高台ポイント。
昔の多摩川に削られた丘の残った部分と聞いてはいたが、この地形図で一目瞭然。
関東平野29a
その北の弧を描く断崖はその頃の多摩川が南へと流れを変えていく過程で武蔵野台地を削り取ってできた、河岸段丘の連なり。
今、ここは国分寺崖線と呼ばれている。
更に時を経て多摩川が南に下って流れ出した時に形成された河岸段丘が立川崖線。
まるでシルクロードの幻の湖、ロプノル湖に流れ込んでいたタリム川の遍歴を探るかのごとき。
このような大河の壮大なる揺らぎがかつて武蔵野で起こっていたのだ。

さて、ふと、地形図の北西に目を向けると立川あたりに浅間山と同じような「独立峰」を見つける。
関東平野05多摩川流域b
昭和記念公園a
はて?こんなところにピークなどあったろうか?
よくよく調べてみるとここは昭和記念公園。その中の「こもれびの丘展望台」であった。標高119m。
周りより20m程、高くなっている。
こんなところにも古多摩川に削り取られた「丘」が残っていたのである。
昭和記念公園
ということは、移動運用場所としても悪くないポイントのはず。
古代から現代まで多摩川が削り取った丘陵の端は、見晴らしがよく、戦国時代の城跡になっていたりで当然電波の飛びもよくなるから、アマチュア無線に限って言えば、移動運用の良いロケーションとなる。
思いつくだけでも以下の移動運用地が上げられる。

●大田区多摩川台公園
この公園は武蔵野台地の南端部にあって、多摩川の削った国分寺崖線の南端に位置するために多摩川との高低差は大きく、多摩川方面への眺望が利くため電波の飛びもよい。また、ここにある古墳群も高台という地形故に造成されたかもしれない。
関東平野25多摩川台a

●川崎市多摩区生田緑地枡形山
比較的最近、多摩川が削った河岸段丘上にある標高84mの高台。
武蔵野台地が一望出来、軍事的要衝として中世の頃より城が造られていた。
人口密集地を見下ろすロケーションなので当然、移動運用場所としてもベスト。
関東平野08生田緑地a

●西多摩郡瑞穂町瑞穂ビューパーク展望台と六道山展望台
古多摩川がまだ武蔵野台地を北寄りに流れていた時、「中洲」として残された狭山丘陵上の高台にある展望台。
関東平野18横田基地北a

●あきる野市大澄山
あきる野市の東端。標高は192m。御岳山から連なる奥多摩の山脈東端。多摩川西岸に位置する草花丘陵から都心部が見下ろせる位置にあり電波の伸びは良いため、よく移動運用局が出ている。
関東平野12大澄山a


●狭山市稲荷山公園
古多摩川が入間川沿いに流れていた頃に作られた河岸段丘の上にある公園。
北方に眺望が利き、奥武蔵の山々が一望出来る。
関東平野14入間基地入間川a
他にも稲城市城山公園、日野市新坂西橋、八王子市滝山公園などが上げられる。
超精密地形図を使って知られざる未知の移動運用ポイントを探るのも一興かもしれない。

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「練馬まつり」イベントFMベリカード

昨年の10月16日、としまえんで開催された「練馬まつり」イベントFMの受信報告書に対してベリカードの返信があったので御紹介。

練馬FM20161016a

局名/練馬まつりイベントFM放送
周波数/88.5MHz
受信年月日/2016年10月16日(日)
受信時間/0748~0810JST
受信内容/
0748JST S/ON
0750JST 「練馬区歌」?
0752JST 「JOYZ-3AGFM、JOYZ-3AGFM,こちらは練馬まつりイベントFMです。
         周波数88.5MHz、出力5wで、としまえん会場内練馬祭り
         イベントFM特設スタジオよりお送りしています。
         只今試験電波を送信しています。
                   本日の放送はこのあと午前8時からお送りいたします。(繰り返    
         し)<女声>」
         途中から再び「練馬区歌」とID繰り返し。
0800JST ファンファーレ
        番組名/ウエーブデリバリーガンガンレディオオレンジタイム
        DJ/タカハシー、立山清美
        オープニングトーク
        天気のこと。
        メッセージ募集等。
        練馬まつりの概要など紹介トーク。

受信情況/SINPOSINPO-54444 F777の電界強度計で約40dB。昨年と同程度で入感。 
受信地/東京都杉並区
受信機/パイオニアF777
アンテナ/クリエイトログペリCLP5130-1(地上高8mH)を北ビーム

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