8月24~25日に開催されたハムフェアに初出展。
ハムフェアはアマ無線免許を取った1980年代半ばより晴海で三日間開催された頃から出向き、1990年代~2000年代初頭まで「RANHANーSYA」というイラストグループや関東DXerサークル(KDXC)でお世話になった。
近年はKDXCのOBサークルやA4マニアックスのスペースで自著の委託販売活動に勤しんでいた。
従来のハムフェアでは複数人グループでのクラブ出展が原則で、個人単位ではスペース、料金共に賄える範疇になかった。
しかし今回、新たにミニ小間(0.99m×0.99m)スペースが提供される事となり、個人でも出展可能な条件が揃ったため、初の個人サークル出展にチャレンジ。
基本、従来の同人誌イベントと変らないスタイルでハムフェアに挑んでみた。
その忘備録を綴る。
●8月23日搬入日
開催前日の23日、頒布物をカートに乗せて公共交通機関を使い、人力搬入。
会場は有明GYM-EX。
東京ビッグサイト開催の場合、りんかい線国際展示場駅が最寄りなのだが、今回は一旦うみほたるに乗り換えねばならない。
国際展示場駅からうみほたる有明駅までの乗り換えは初めてだった。徒歩で数分。
最寄り駅、次の有明テニスの森駅で下車、徒歩5分程で有明GYM-EX到着。
平日の昼間、まだラッシュ前だったのにも拘わらず、電車はどこも混雑。有明近郊のホールでライブがあるらしく、その客の波にもカートごと呑まれ、しんどかった。
早速指定されたスペース「C-09」へ。幸い椅子と机は設置済み。
備品は別途追加レンタルだったので自分で運ばねばならないのかと不安だったが杞憂に終わる。
取り合えず、頒布物を並べ、設営完了。
予想はしていたが、このミニスペースは小さい。
スペース内が身動き取れず、背後のサークルとの隙間がない。
下の写真で4サークル分。
これは改善の余地はあろう。
因みにミニ小間はこの一角の4クラブのみとのこと。
予想では20スペース位はあるのかと思っていたのでちょっと寂しい。
設置後、準備中の会場を見て回る。
とにかく、明日から二日間頑張らねば。
●8月24日ハムフェア1日目
朝、開場30分前の9時半頃到着。
会場内にはレストランもなく、コンビニも遠いので、国際展示場駅前のセブンイレブンで昼食用の軽食を事前に購入する。
既に開幕前から賑やかな会場内である。
10時開幕。
同人誌イベントとは客層が違うので戸惑いも。
購入して下さるのはやはり同人イベント掛け持ちハムの皆様で、同人誌に馴染みがない方は何となく眺めて素通りの場合が多い。これはある程度予想していたことだが。
さて、今回も頒布活動と共にスペース内移動運用も実施。ハムフェア仕様QSLカードも用意した。
VX-3で430FMと2mFMに出てみる。
ところがこれが全く使えない。
場内からオンエアしている各局の電波が飽和状態となってバンド中抑圧を受けてまともな交信に至らない。
ビッグサイトの時も似たような状況ではあったが、2mFMはまだ使えた。
しかし今回は両バンドともNG.
結局交信局数はこの日17局程度で終わってしまった。
その原因は後述。
それはさておき、全てを一人で賄っているので運用しながらの接客は難しい。
タイミングが悪いと、どちらか中断しなければならず、販機を逃してしまうことも。
とはいえ常時売り子さんをもう一人置くほど余裕はないので、とにかくバタバタしっぱなし。
「ラジオライフ」スタッフも来訪。専属YLさんとも交信し、カード交換。
時間があっという間に過ぎる。
幸い、元KDXCメンバーのI氏に30分ほど店番をお願いすることが出来て助かった。
その時間を利用して会場内を見て回る。
企業ブース辺りではアイコムがアニバーサリーステッカーを配布していた。
ツイッターで呟きをRTし、提示すると貰えるので1枚頂く。
ブース内には事前告知されていた創業60周年記念のHF/50MHz帯トランシーバー「IC-7760」が展示されていた。
最大出力200W、メーカー希望小売価格(税込み)は877,800円とか。
自分の無線スタイルとは全く縁がない機種なのでコメントも思いつかない。
去年発表されたIC-905の展示は控えめ。
一方、八重洲のブースには吃驚する新機種が。
遂にFT-817/818の後継機種と思われるオールバンドポータブル機「FTX-1F」が発表された。
前日海外サイトから初めてリークされ、フェイクかとも疑われたが現実だった。
よく噂すら漏れず隠し通せたと思う。
この機種については別途レビューします。
ケンウッドやコメットブースにはお馴染みバーチャルキャラクターが陣取っていた。
かつて生身のコンパニオンで賑わっていた頃とは隔世の感である。
また、本日ブース内で交信した8J20NICT/1(C-02)とJE1YEM/1(C-65)スペースに立ち寄り、カードをダイレクトでお渡しする。
結局30分では企業ブース以外回る余裕がなく、慌てて自分のスペースへ戻る。
午後もまた多くの方から名刺交換アイボール頂く。
特に、今回当局新刊イラストを団扇など公報アイテムに採用していただいた「POTA日本有志の会」メンバー各位に訪問頂き頒布活動にも弾みが付いた。
グッズも頂き、感謝に絶えない。
またコミュニティーFM界隈リスナー、スタッフのハム有志の方々にもアイボール出来、賑わいを維持することが出来た。
比較的遅い時間のほうが訪れて頂く局長さんが多かった気がする。
余談だが、この会場には蚊が居る。
こんな近代的ホールに蚊など想像も付かぬが、実際、足に何箇所か刺されてしまった。
最初は信じられなかったが、SNSで同様に蚊の被害が呟かれていたので吃驚。
近くに運河があるせいだろうか?
ビッグサイトではありえない話。
兎にも角にも1日目は17時閉幕。
何とか乗り切る事が出来た。
●有明テニスの森公園移動(POTA JP-1802)
会場の近くにもPOTA登録公園が多く存在する。
有明テニスの森公園も有明GYM-EXから歩いて15分程なので帰り際に立ち寄って移動運用。
ここは以前、ビッグサイトイベント帰りに2回ほど運用したことがあるが、いずれもアクティベートならず。
本日も1WのVX-3とRH-770運用。しかし、今回はハムフェア帰りのアクティベーターが多数湾岸各地のPOTA登録公園から運用しており、お呼び掛けで次々P2P成立。
また、ハムフェア宿泊の為、近郊のワシントンホテル高層階からオンエアされている方も居て、1時間10分程でアクティベート完了。
同じ公園よりオンエアされていた方ともアイボールし、19時前に国際展示場駅より撤収。
自宅に帰って明日会場で出すQSLカードを整理。
交信データ
移動地/東京都江東区有明テニスの森公園JCC#100108(POTA JA-1802)標高5.3m
交信日時/2024年8月24日
交信時間/1734~1849JST
周波数/430MHz
モード/FM
天候/晴れ
無線機/VX-3
アンテナ/RH-770
出力/1W
延べ交信局数/10
430MHz10(FM10)
交信相手エリア/
東京都/7(江東区×9、中央区1)
●8月25日ハムフェア2日目
朝、10時に会場到着。お世話になっている元KDXC関山氏からの張り紙がスペースに貼ってあった。
昨日、関山氏のスペースにお邪魔できなかったので本日行かねば。
初日よりも若干人が少ないが、相変わらずの賑わい。この日も何とかコンスタントに頒布が進む。
430/144FMは引き続き飽和状態で、今日は会場内で6局しか交信出来ず。
昨日同様、お昼過ぎに店番を頼み、会場内を散策。
まず、関山氏の居る「BCLの雑談室」へ。
寄せ書きにコメントしたり、ブラジル人BCLとアイボールしたりと暫し歓談。
更に「POTA日本有志の会」へ。
ブース前は人垣が出来るほどの人気。
自分のスペースでも無料配布するため、イラスト団扇を数部お分けして貰う。
次に自衛隊が出展している防災コーナーへ。
軍用有線、無線電話や無線車が展示されており、資料的に価値が高かったのでもっと詳しく見ればよかった。
イベントステージではハムの元NHK解説者とJARL会長、JH1CBX Masacoさんの対談をやっていたがゆっくり聴いている時間がなかったのが残念。
ハムフェア2024特別記念局運用スペースも覗いてみる。
今回HFのアンテナは会場屋上に設置出来なかったのでリモートでの運用だったとか。
一方、50MHz以上のアンテナは会場脇と思いきや、何と屋内に設置してあった。
どうやら許可が下りなかったという話だか、屋内で20W運用したら、それは飽和してしまうだろう。
聞くところによるとそのため6mや2m、430MHzではCQを出してもなかなか交信に至らなかったらしい。
記念局エリアを後にし、本日ブース内で交信した8J1Z(C-50)、とJS1YQD(C-13)スペースに立ち寄り、カードをダイレクトでお渡しする。
結局、2日目も充分に会場内を見て回れず、自分のスペースへ戻る。
電波新聞も今回は貰い忘れてしまった。
やはり個人で主宰するサークルとして出展すると基本頒布接客に専念せざるを得ないのは仕方ないか。
14時過ぎからは後片付けに入るグループも。
閉会が迫る頃、JARL常務理事の7K1BIB山内OMが立ち寄って下さり、今回のミニ小間に関して感想を述べたりする。
更に旧市川FM深夜番組担当パーソナリティーさんが訪問。2mで交信しカードもお渡しする。
15時半閉幕。
休む間もなく撤収作業に入る。
殆どのクラブ、サークルの搬出は自家用車と思われ、カートでどんどん駐車場のほうへ。または会場へ直接、車を乗り入れての撤収らしい。
自分の場合、往路は電車と徒歩で搬入したが、帰りの荷物は面倒なので従来の同人イベントと同じく、宅配を使おうと考えた。
ハムフェア会場内にも宅配コーナーはあるのだが、恐らくその目的は来場者が購入したジャンクや無線機を送るためで、サークル搬出用ではない筈。よって閉幕後も宅配コーナーが設置されているか不安であった。
幸い、15時半を過ぎても開いており無事宅配で搬出することが出来た。
同人イベントだと閉会後、宅配コーナーに行列が出来るのだが、ハムフェアでは誰も居なかったのが印象的。
●有明親水海浜公園移動運用(POTA JP-2068)
撤収後、会場を出て隣接するPOTA登録公園、有明親水海浜公園に寄る。
東雲運河に接したゆりかもめ橋梁脇の日陰で16時半過ぎよりQRV.
昨日に続いてPOTAアクティベーターが近隣公園に散開運用していたのでお呼び掛け。
またランドマークタワー等の移動局とも繋がり、少し時間を要したが18時10分過ぎにアクティベート。
帰りはりんかい線国際展示場近くのファミレスで一人打ち上げで締める。
二日目も何とか無事に終える事が出来た。
交信データ
移動地/東京都江東区有明親水海浜公園JCC#100108(POTA JA-2068)標高5.5m
交信日時/2024年8月25日
交信時間/1636~1812JST
周波数/430MHz
モード/FM
天候/晴れ
無線機/VX-3
アンテナ/RH-770
出力/1W
延べ交信局数/10
430MHz10(FM10)
交信相手エリア/
東京都/7(江東区×6、中央区1)
神奈川県/2(横浜市西区ランドマークタワー、川崎市高津区)
千葉県/1
●初のミニ小口スペース参加にての雑感
予想したよりも参加クラブが少なく、更に自分のような個人参加サークルが他になかったのは若干意外だった。
隣の「2文字コールアイボール会」OMも特にこのミニスペースを希望した訳ではないようなことを話していた。
従来のハムフェアではクラブブースを専らアイボールの場として活用している。
その為か、ある程度広いスペースが必須条件になってしまい、個人参加という概念は育たず、新しいサークル形態が生まれない要因なのかも。
更には同人誌即売会と比べ、まだ参加費が高いのも敬遠されている原因の一つかもしれない。
椅子、机レンタル料含めると、二日で2万円以上になる。
この辺りも要検討。
またスペース内が狭く、裏を行き来することが出来ないのは難。
もう少し、バックスペースを広げないと実用性に欠く。
いずれにせよ個人でハムフェアに出展したいという需要は少なくない筈。
もう少し、このスペースの存在を告知宣伝する機会を増やしてはどうだろうと思う。
改善していけば、ミニ小口スペース希望者を更に呼び込める可能性はあると思った。
●終りに
ハムフェア無事に全日程終了致しました。
収支も何とか黒字を維持。
仮に来年のハムフェアで、同じミニスペースが提供される場合には前向きに参加検討したいと考えます。
ハムフェア2024では重ね重ね「POTA日本有志の会」の皆様には多大なるご助力頂き、この場を借りて御礼申し上げます。
また「BCLの雑談室」の関山氏、店番をして頂いたI氏、差し入れを頂いた「A4マニアックス」代表岩田様、同人誌頒布情報を上げて頂いた「hamlife.jp」様、更には会場にて同人誌、グッズ購入いただいた各局にはこの場を借りて深く御礼申し上げます。
また来年もよろしくお願いいたします。
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