移動運用その250/神奈川県足柄下郡箱根町丸岳山頂<後半>(2020年9月22日)
●丸岳山頂にて移動運用
山頂東側はやや笹原に覆われているものの箱根カルデラが一望出来る。
中央火口丘の大涌谷、芦ノ湖、手前に仙石原が広がる。
ここからだと仙石原が神山の爆裂噴出物による扇状台地で形成されていることがよく解る。
芦ノ湖もその噴火によって塞き止められた結果、誕生した。
丸岳山頂部分は中継鉄塔が占有していて西側の富士山は隠れて見えない。
やや天気は下り坂で雲が多くなってきたが、視程はまだ保たれている。
お昼前なので設置されている机には数人のハイカーが休憩中。
ひとつの椅子が空いたので、ここを暫くお借りして移動運用の場とし、手前にポケットダイポールを上げる。
この丸岳で同様に移動運用されていた局のサイトの様子に倣ってみた。
お昼前後は度々ハイカーが同じ机で休憩されていく。
他のハイカーの迷惑にならぬよう出来るだけスペースを空けるようにし、イヤフォーンでCW中心に黙々とKEYを打つだけにして極力静かに運用。
同席した初老の夫婦ハイカーが「50MHzですか?」と声を掛けてきたので挨拶したり。
13時を回ると訪れるハイカーも殆ど居なくなったが、机を使わず背後のスペースでレジャーシートを敷いて地味に運用したほうが落ち着けたかもしれない。
もっとも丸岳山頂はそれほど広くないのでどこで運用しても同じようなものだが。
因みにこの登山道の真ん中が県境になっているようで鉄塔側の道端だと御殿場市移動になる。
それはさておき、無線運用の状況。
IC-705を本格移動運用するのはこの日が最初。
付属バッテリーのみが電源なので出力は0.5~1wをベーシックに設定。
6mCW中心に11時10分過ぎからQRV.
標高が1156mあるのでスペクトラムスコープには比較的多くの局影が映る。
早速駿東郡移動の局が強力に入感していたのでお呼びする。
ところが電鍵を打っても信号が途切れ途切れになって符号が綺麗に出ない。
以前から時たま起こる現象。
FT-817の時はKEY端子の接触不良が原因で修理に出して改善したが、それとは別におかしくなるときがあった。
IC-705でも同様の状況が起こるので無線機が原因ではないようだ。
ケーブルも代えてみたが同じ。
とするとこのベビー電鍵か?相当使い込んでいるのでどこか接触不良を起こしているのだろうか?
しかし、ネジ等の緩みはないし外観上、おかしなところは見つからず。
あるいはワニ口クリップの不良かと探ってみるがはっきりしない。
常時おかしい訳ではなく、まったく症状が出ない時が大半だから原因が掴めない。
こんな状況なのでなかなか局数が稼げない。
やっと多少改善した頃は愛・地球博コンテストも12時で終了。
コンテストでは50MHzCWで4局のみ。
めげずに12時15分位からCWでCQを出す。
暫くは呼ばれなかったが12時25分頃より少しずつ応答あり。
13時過ぎからはアンテナをGAWANTに換えて18~28MHzをワッチしてみるがCW帯は沈黙。
13時10分過ぎより144MHzSSBにQSY。
14時前に出力を2.5Wに上げて石岡市移動局と交信したところ、ここで電源が落ちる。
電池切れである。
0.5~1Wメインの出力で2時間と40分位。
出力を上げなかったらもう少し持ったかもしれないが、思ったよりも短い。
さて、IC-705の電源がダウンしてしまったので楽しみにしていたFM遠距離受信もお預けに。
致し方なく、ポケットダイポールのエレメントを430MHz帯の波長近くに縮めてVX-3に接続しCQを出してみる。
すると沼津市、平塚市、佐倉市から応答戴く。
更にヘリカルアンテナで市川市アイリンクタウン移動局とも繋がる。
1W出力のVX-3も意外と健闘。
丸岳では延べ23局とお繋ぎ戴く。
各局様ありがとうございました。
更に久しぶりにワンセグチューナーを持ってきたので受信調査。
全50チャンネル中、17チャンネルがオートチューニングで入る。
在京キー局以外はTVK、SBS、静岡第一、テレビ静岡。
受信地点 | 受信出来る局数 | 備考 |
---|---|---|
神奈川県足柄下郡箱根町丸岳山頂 |
スカイツリー全局とTVK、SBS、テレビ静岡、静岡第一、NHK東京総合とEテレ中継局(送信地不明) |
15時近くとなって撤収開始。
空はすっかり曇って風は寒いほど。
神山山頂付近は笠雲のようなのも掛かってきた。
●乙女峠バス停に向けて下山
15時8分、丸岳山頂を撤収。乙女峠に向けて下山開始。
富士山は頭だけが覗いている。
この時間、ハイカーの姿も殆どない。時折、東富士演習場からだろうか、砲撃の音が響く。
更に途中、尾根道を横切る鹿らしき動物の姿を見る。
吃驚。
15時52分、乙女峠着。丸岳山頂からの所要時間44分。下りなのに往路時とほぼ同じ。道標には25分と書かれていたから20分近く遅い。途中、荷物をまとめるため小休止した分、時間を食ったか。
乙女峠には茶屋の廃屋が残されている。関東周辺のハイキングコースではお馴染みの光景だ。
インバウンドでハイカーが再び増え始めていたから復活の可能性もなくはないが果たして。
富士山の写真を撮った後、休むまもなく乙女峠バス停へと下る。
この時間帯になると登山道も暗くなる。BGMはFM富士。
この4連休、久しぶりに渋滞が発生したとDJは語る。
登山口に戻ったのは16時30分。
約35分の所要時間。平均より10分遅れは御の字。
まだバスの時間まで若干余裕があったので「FUJIMI CAFE」で休息。
ここは7月にリニューアルしたそうな。
お洒落で今風の造りに。
以前はもっと和風の御茶屋だったらしい。
取り合えず、紅茶とケーキをオーダー。
富士山を眺められるオープントップの座席。
短時間430FMで御殿場移動CQを出してみるが応答なし。
●御殿場プレミアムアウトレット経由で御殿場駅へ
17時05分の箱根登山バス「アウトレッド」行きバスに乗車。
乗客は自分ひとり。
17時26分、アウトレット着。
ここまでほぼ予定通りに進む。
目的はエヴァンゲリオンスタンプラリーだったので取り合えずスタンプ設置場所のインフォメーションセンターに向かう。
スタンプ帳と本日交信分のQSLカード用紙に捺印。
この時間帯、他に誰もスタンプラリー参加者は訪れなかったので速やかに処理。
「御殿場補完計画」企画として広場に「ロンギヌスの槍」が展示されていたので撮影。これは3月まで強羅公園に展示されていたものと思われる。
目的は達成したので17時55分発、御殿場駅行きシャトルバスに乗り込む。滞在時間は30分ほど。
こちらのバスは満員。
このバスでもエヴァの「葛城ミサト」役の声優さんによるアナウンスが流れていた。
18時10分、御殿場駅着。
御殿場駅ならではの巨大な広告。
地元土産物を駅コンビニで購入し、18時47分発新宿行き「ふじさん6号」乗車。
●「ふじさん6号」で新宿へ
総合火力演習見学時は、御殿場線で松田、新松田で小田急を乗り継ぎロングシートの通勤型電車で2時間半近くかかって新宿まで戻ったが、今回は荷物も多くもうそんな元気はない。
この時間帯になって雨がぱらついてきた。
20時26分、新宿着。
●IC-705移動運用使用感
今回の反省点としてはIC-705の特性やコツをまだ掴めず、安易にパワーを出してバッテリーを消費しすぎてしまった。
カタログには出力5Wで約3時間運用可能(送信1分:受信1分:待ち受け8分(パワーセーブON、FMモード時)と記載されているが、実際運用してみた限りではBP-272はとてもこんなに持たない。
フル充電で出力1w/SSB・CWモードのみ3時間程度という感覚だ。
5Wで運用したら30分持たないかも。
他の方の実証運用ではCWモード5Wで2時間位は持つという結果が出ているがなぜなのだろう?
バッテリー個々の性能ばらつきが原因なのか?あるいは設定がどこかで違っているのか?
運用条件で異なってくると思うが、現状ではFT-817同様に0.5W堅持でなんとか4~5時間運用出来るかというレベル。
FT-817エネループ運用の場合、2.5W以上は出せないので単純比較は出来ないが0.5Wであれば4時間以上はいけた気もする。
IC-705のバッテリーパック運用に限ればやはり出力は1W以内に抑えないと満足な運用時間は保てない印象。
逆に考えればこれだけ大きいディスプレイ表示電力を含めての運用時間と考えれば健闘しているほうかも。
ロケーションとアンテナさえよければ0.5w~5wQRP運用にそれほど大きな差はない。
徒歩移動では如何に荷物を減らすかが重要。外部電源は無理だが予備のバッテリーパックをもう一つ加えれば1日分のIC-705QRP運用は充分満足の得られるものになろう。
あと気になったのはCWモード時の背景ノイズ。
FT-817では「ザー」という音でノイズと信号の差を聞き分けられたのだが、IC-705の場合、「コー」という音に感じ、ノイズと信号の差が不明瞭。なんとなく高音部分をフィルターでカットした分、篭った印象で聞き辛い。
設定で改善することは可能なようだがFT-817に慣れた耳だと違和感がある。
(これに関してはこちらの方のサイトに詳しく載っているので参照)
またSSBモードでCWを受信した後、CWモードに切り替えると改めてチューニングし直す手間が生じること。
これも設定次第なのかがいまひとつ解らない。
まだマニュアルで調べてみる分野が多いようだ。
今後とも運用を重ねて検証トライしていきたい。
●交信データ
移動地/神奈川県足柄下郡箱根町丸岳山頂(標高1156m)・SOTA JA/KN026
交信日/2020年9月22日
交信時間/1112~1459JST
周波数/50・144・430MHz/SSB・CW・FM
天候/晴れのち曇り
無線機/IC-705・スタンダードVX-3
アンテナ/ミズホポケットDP・付属垂直ヘリカルSRH805S・GAWANT
出力/0.5~2.5W
延べ交信局数/23(相手のCQ呼び出し局/12・自局のCQ応答局/11)
50MHz15(SSB2/CW13)、144MHz3(SSB3)、430MHz5(FM5)
交信相手所在地/東京都5(世田谷区、三鷹市、町田市、他2)、神奈川県8(横浜市神奈川区×3、保土ヶ谷区、泉区、川崎市幸区、平塚市、他1)、千葉県3(市川市、佐倉市、他1)、静岡県4(御殿場市長尾峠、沼津市片浜海岸、駿東郡清水町×2)、茨城県1(石岡市)、未確認2
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