IC-705変更申請審査完了と初移動運用(2020年8月30日)
8月19日、IC-705変更申請の審査終了メールが届く。
局免送付用の返信用封筒を関東総合通信局に送り、8月26日に新しい局免到着。
IC-705変更申請してから約2ヶ月弱。
免許の日付けは8月18日。
官報で「アマチュア局において使用する電波の型式を表示する記号」の一部改正の1日前だからか、電波形式記号は1910KHzは「3MA」「A3E」「J3E」となっている。
いずれにしろ、これでやっとIC-705を晴れて無線機として使用出来ることに。
IC-705での初交信は26日の21時台に常置場所から430FMで板橋区の局長様にお声掛けQSO。
アンテナはいつものログペリ。
最初は5WでRS51のレポートを頂く。交信中に試しに10Wを出してみるとRS55位に。
これまで使っていたFT-817はMAX5Wだったので、10W出すのは開局当時、FT690Mk2+リニアで運用していた以来。
ただ、常置場所でパワーを5Wから10Wにしても大きな差はなく、2.5Wでも充分交信出来た。
今後もディフォルトでは5Wを維持していきたい。
やはり、新しい無線機を導入したばかりだと操作に慣れず、戸惑うことも多々。
FT-817ではアンテナ端子が二つあるのでそれぞれHFとVHF、UHFで使い分け可能だったが、IC-705は端子がひとつなので、その都度同軸切り替え器のスイッチを捻らねばならず、面倒。
一方で大きなディスプレイで直感的に操作出来、機能も多彩なIC-705はメニューやファンクションスイッチでフィルター、プリアンプなど設定を変えるのが楽。
FT-817は各種機能を数少ない押しボタンスイッチで兼用しているから、10年以上使っているのにも拘らず周波数帯とモード切替スイッチをよく間違えるし、その他機能はマニュアルを見ないと未だにわからない。
その点、IC-705はディスプレイをタッチすればたちどころに操作出来てしまう。
使い勝手に限っては雲泥の差。
IC-705は聴覚より視覚優先の無線機であることを実感する。
逆に言えば情報量が飛躍的に増えてしまい、それを処理する手間や時間も増える。
IC-705のスコープを使えばどの周波数にどの程度の信号強度の局が入感しているか一目瞭然だが、FT-817はそれを知る手立てがなかった分、シンプルな運用で済んだ。
多くの情報を得たところで、それを効率よくこなせるテクニックがないと宝の持ち腐れと化してしまう。
いずれにしろ、運用を重ねて慣らしていくしかない。
●IC-705初移動運用
8月最後の週末日曜日に初のIC-705移動運用を実施した。
まず手始めに専用のマルチバックLC-192を搬送手段とした移動運用を試す。
マルチバックの詳細についてはこちらを参照。
容量は11リットル程度なので無線機本体と同軸ケーブル、電鍵、アンテナ、コネクター等の備品、小冊子位で一杯。
普段の移動運用で持ち歩くレジャーシート、ミラーレス一眼、ドリンクボトル、ライト等は入らない。
当然、三脚、アンテナポールも無理。
否応にも必要最小限の備品に絞られる。
移動場所はその条件でも可能な生田緑地の飯室山展望台を選択。
最寄り駅の向ヶ丘遊園に着いたのは15時。時間帯は遅かったが天候はFB.
現地には15時15分頃到着。
視界も良好。
マルチバックLC-192は防水加工されていないので、念のために迷彩防水カバーを装着。
備品はB5ケースからレンズのソフトケースに入れ替え、同軸ケーブルも若干短いものに。三脚もミニにすることで収まる。
そのため、容量と重さは普段の3分の2位に抑えられ、移動の負担はかなり軽減。
但し、入り切らないカメラやドリンクボトルは別途、首から提げたり、上着ポケットに分散しなければならない。
今回は本体をマルチバックに入れたままの運用を試す。
バックを柱に寄りかからせて安定を図る。でないとトップヘビーなのでバックごと倒れる可能性も。
早速アンテナ設置を始めるが、ここで同軸ケーブルを繋ぐ変換コネクターを忘れたことに気がつく。
いつものFT-817に装着したまま家に置いてきてしまった。不覚。
これではポケットダイポールが使用できない。
やむを得ず、4分の1ラムダのホイップアンテナとGAWANTで運用。
いきなり出鼻をくじかれた。
16時頃から運用開始。
取り合えず、最初は6mにオンエア。
アンテナ端子保護のために 第一電波工業製ハンディアンテナ用ユニバーサルクリップベースMCR2を経由させたのだが、ケーブルの位置によってはノイズが発生。SWRも高くなる。
他のIC-705ユーザーのブログ等でも指摘されているがこの機種特有の現象のようだ。
出力は2.5Wを試す。
これまでのFT-817のエネループ運用ではあっという間に消耗してしまうので1w運用が限界だったがIC-705専用充電池ではどうか?
2.5Wで10分近くCWでCQを出したが応答は1局のみ。出力アップの効果はあまり感じられず。
もっともアンテナがホイップ故に出力を上げても単純比較出来ないが。
144MHzSSBに移り、港南区移動局にお呼び掛けしてなんとかRS55で繋がる。
この後、アンテナをGAWANTに代えてHFに。
21、24MHzは比較的コンディションがよく、何局かCWで良好に入感していたので呼んでみるも全くだめ。
SWR計をみると無限大に近く、これでは話にならず。
クリップベースを経由せず、GAWANTをIC-705本体に直付けするとSWRは下がってなんとか21MHzで2局ほど2.5WでQSO出来た。
どうもIC-705は同軸コネクターや延長ケーブルとの相性を選ぶらしく、マッチングさせる手間を要するようだ。
これも諸々試行錯誤しつつ、コツを掴むまで慣れが必要と感じる。
飛ばないホイップアンテナかつSWR調整でバタバタ、結局1時間20分の運用時間内に5局しか交信出来ず。
電力消費は出力2.5Wをベーシックに1Wから5Wの間を行ったりきたりして電池マークが3分の1に。
やはり2.5Wベースで運用すると2時間位が限界のように思われる。
単純比較は出来ないがFT-817にエネループだと0.5~1W運用で3時間以上は維持出来たのを鑑みると特段IC-705/2.5W運用での優位性は感じられない。
むしろ運用時間が減ってしまうほうが問題なので、必要に迫られる場合を除き、今後も0.5Wベーシックでよいだろう。
18時半前に飯室山展望台を撤収。帰り際に430FMハンディーでQRV.
スカイツリーのピーク照明がランダムに色変化していた。
今回は専用マルチバックに固定しての運用だったが、調整のためにアンテナを交換したりする作業はストレスになる。
やはり一旦本体を外に出したほうが扱いやすい。
安定性にも難があり、うっかりケーブルを引っ掛けて倒したりして、ディスプレイ破損させる可能性は少なくない。
FT-817なら多少ぶつけても大丈夫だったのでその点は不安材料。
反面、タッチパネルで操作出来る利点は絶大。
IC-705の操作性を優先させるか、FT-817の堅牢性を優先させるかはケースバイケース。
もともと設計思想も作られた年代も違うから単純比較すること自体無意味なのだろうと思う。
更にIC-705での移動運用を重ねて修練させていきたい。
交信データ
移動地/神奈川県川崎市多摩区飯室山展望台(海抜80m)
交信日時/2020年8月30日
交信時間/1603~1815JST
周波数/21・50・144・430MHzSSB/CW/FM
天候/晴れ
無線機/IC-705 スタンダードVX-3
アンテナ/1/4λホイップ・付属垂直ヘリカルSRH805S・GAWANT
出力/1~5W
延べ交信局数/6(相手のCQ呼び出し局/4・当局のCQ応答局/2)
21MHz2(CW2)、50MHz2(CW2)、144MHz1(SSB1)、430MHz1(FM1)
交信相手所在地/北海道1、東京都3(渋谷区、大田区、三鷹市)、神奈川県2(横浜市港南区円海山、川崎市麻生区)
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