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移動運用その202/昭和記念公園『こもれびの丘』移動(2018年5月12日)

3月23日付けの当ブログ『国土地理院5メートルメッシュ標高データとKASHIMIR 3Dで移動運用地を探す』で気になっていた立川市国営昭和記念公園北側に存在する謎の高台。
昭和記念公園a
昭和記念公園
当日のブログでは府中市の浅間山と同じく、古多摩川の残した河岸段丘の独立峰と解釈してみたが、それを確かめる事も含めて12日土曜日、移動運用に赴いた。

●立川基地の歴史と国営昭和記念公園
さて、この「謎の高台」がある国営昭和記念公園は如何なる施設か?
公式サイト等によると昭和天皇御在位50年記念事業の一環として建設された総面積180haにおよぶ国営公園。
財団法人公園緑地管理財団、 昭和管理センターが管理。
在日米軍立川基地が1977年に全面的に返還されてから、1979年に国有財産中央審議会で、大規模公園、 および広域防災基地を柱として基地跡地を利用する計画の大綱が答申され、この計画に沿って建設が進められる。
1983年10月に昭和天皇の御臨席のもとに、第一期開園式が挙行され、その後次々と整備が進められ、現在の状況になっているという。

返還前の在日米軍立川基地は広大だった。
ウィキペディア等によると、戦後、旧日本陸軍の立川飛行場を接収した米進駐軍は、ここに既存の滑走路の東側に延長約2000メートルの新滑走路を建設。一部を通称フィンカム基地と呼称、極東空軍輸送飛行場とする。
1950~60年代にかけて、基地の西側は兵員や軍事物資、軍関係の旅行者を乗せた飛行機で賑わい、多くのレシプロ貨物機が飛来した。
その頃の立川基地航空写真。
USA-M578-2-60aa
(出典:国土地理院ウェブサイト http://mapps.gsi.go.jp/contentsImageDisplay.do?specificationId=230167&isDetail=true
整理番号/USA  コース番号/M578-2  写真番号/60  撮影年月日/1956/04/13(昭31)
撮影高度(m)/3048 撮影機関/米軍  )


MKT648X-C11-8aa
(出典:国土地理院ウェブサイト 
http://mapps.gsi.go.jp/contentsImageDisplay.do?specificationId=442582&isDetail=false
整理番号/MKT648X  コース番号/C11  写真番号/8  撮影年月日/1964/05/07(昭39) 撮影計画機関/国土地理院

滑走路脇にたくさんの輸送機が駐機しているのがわかる。
しかし、滑走路が短く、拡張事業も地元住民の反対で難航、結局アメリカ軍は横田飛行場の滑走路を3350メートルに延伸し、兵員施設を整備して、1960年から立川の軍事航空運輸サービスを順次移転。
立川基地はその後整理縮小の道を辿り、1968年12月をもってアメリカ軍による全ての飛行活動は停止された。

1977年に全ての敷地が全面返還。東地区は商業施設のほか都立砂川高校、市立中学校、市立体育館などの公的施設用地として利用。
その他の跡地は東部・中央部・西部の3地区に分割され、東側は陸上自衛隊立川駐屯地のほか、海上保安庁・警視庁・東京消防庁など各官公庁の施設が設けられ、立川広域防災基地となった。残された西部は保留地とされ、中央部が昭和天皇在位50年を記念し、国営昭和記念公園が造園、1983年に開園したという。

自分が物心ついた頃はすでに立川基地は機能停止。立川から青梅線に乗った際、廃墟と化した施設が延々と車窓から見えたのを憶えている。
記念公園開設後も何回か入園したことはあったが、無線の移動運用では初めてだ。

●立川基地の残像を探す
当日、西立川ゲートに到着したのは13時半近く。
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一応、持込み品案内表をチェック。アマチュア無線のハンディー、ポータブル機に関しては大丈夫そう。
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入場料大人一人450円。
前回来た時より高くなっているような気もするが。
それはさておき、入園後、早速「謎の高台」である「こもれびの丘」へと向かう。
西立川口からは対極の公園北の端。時間がかかりそう。
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園内は鬱蒼とした緑に覆われ、スケールが大きい。これらの樹木や池は大半が新たに増築、造園したものだという。
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いわば現代版、明治神宮といったところか。
焦っていたのか、気がつくと北上するつもりがなぜが東に進んでいた。
昭和記念公園の奥まで進んだ経験がなかったので、どこがどこだか分からない。
思ったよりも遥かに巨大な公園。気を取り直して再び北上。
中央の「みんなの広場」を突っ切る。この広場の真ん中には一本のケヤキ巨木がある。
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2008年に上空から撮られたそのケヤキが航空写真にも写っている↓。
CKT20084-C10-11a
(出典:国土地理院ウェブサイトhttp://mapps.gsi.go.jp/contentsImageDisplay.do?specificationId=1512444&isDetail=falseをもとにJH1EAF作成。
整理番号/CKT20084  コース番号/C10  写真番号/10  撮影年月日/2008/05/27(平20)  撮影高度(m)/1561  撮影計画機関/国土地理院

大ケヤキは造園前の立川基地時代からここに存在していたらしい。
そこで過去の航空写真から、どの木なのか調べてみた。
先の1964年5月に撮影された立川基地の写真と現在のものと重ね合わせると、どうやら赤い丸の地点にあった樹木が該当しそうだ。
当時は駐車場だった場所。

MKT648X-C11-8ad
(出典:国土地理院ウェブサイト http://mapps.gsi.go.jp/contentsImageDisplay.do?specificationId=442582&isDetail=falseをもとにJH1EAF作成)

更に1974年12月24日に撮影された航空写真とも照合してみる。
冬なので葉が落ちたケヤキの影が映っている。
少なくとも約半世紀前から基地の駐車場脇にポツンと立っていたこの樹が現在、大ケヤキとして現存しているのは確かなようである。
CKT7416-C27-23ab
出典:国土地理院ウェブサイト URL/ http://mapps.gsi.go.jp/maplibSearch.do?specificationId=1014405をもとにJH1EAF作成。整理番号CKT7416  コース番号/C27  写真番号/23  撮影年月日/1974/12/26(昭49)   撮影高度(m)/1424 撮影計画機関/国土地理院 ) 
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それにしても、立川基地返還後のこの辺りの様子はすっかり変わって、過去の建設物と照合させるのが難しい。
僅かに滑走路北端東側に、当時の痕跡を残すだけ。
こちらが1964年↓。

MKT648X-C11-8ac
(出典:国土地理院ウェブサイト http://mapps.gsi.go.jp/contentsImageDisplay.do?specificationId=442582&isDetail=false
をもとにJH1EAF作成)

こちらが2008年↓。米軍が使っていた滑走路北端部分が僅かに残っている。

CKT20084-C10-11ab
(出典:国土地理院ウェブサイトhttp://mapps.gsi.go.jp/contentsImageDisplay.do?specificationId=1512444&isDetail=false
をもとにJH1EAF作成)

●「こもれびの丘」の成り立ち
日本庭園脇を進み、更に迷いながらもやっと「こもれびの丘」に到着。
ちなみに園内にはパークトレインというバスが走っていて、これに乗っても移動できる(有料)。
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西立川ゲートから1時間もかかってしまった。
周りと違って針葉樹、落葉樹がランダムに生い茂り、如何にも天然の丘を利用した雰囲気が漂う。
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その丘の頂上付近に案内図があったので読んでみる。
そこで驚愕の事実を知る。
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なんとこの「こもれびの丘」は天然のものではなく、人工的に作り上げられた盛り土だったのである。
案内によると、立川基地施設の瓦礫を芯にして周りを多摩ニュータウン造成で出た残土とローム層で盛り土し、その上に腐葉土を重ね、約30mの「丘」を作り、そこに植林したとのこと。
これは吃驚。てっきり古多摩川の削り残した丘と思い込んでいた。
もっとも、この案内板を読むまでもなく、ネットでよく調べれば分かることではある。
国土地理院の1974年航空写真を参照すると、まだ立川基地返還前の「こもれびの丘」(赤い楕円内)付近には高台らしきものはなく、平坦な土地に施設が点在しているだけだ。

CKT20084-C10-11ad
出典:国土地理院ウェブサイト URL/ http://mapps.gsi.go.jp/maplibSearch.do?specificationId=1014405をもとにJH1EAF作成。整理番号CKT7416  コース番号/C27  写真番号/23  撮影年月日/1974/12/26(昭49)   撮影高度(m)/1424 撮影計画機関/国土地理院 )

こちらが公園造成後の航空写真。

CKT20084-C10-11ac
(出典:国土地理院ウェブサイトhttp://mapps.gsi.go.jp/contentsImageDisplay.do?specificationId=1512444&isDetail=falseをもとにJH1EAF作成。

整理番号/CKT20084  コース番号/C10  写真番号/10  撮影年月日/2008/05/27(平20)  撮影高度(m)/1561  撮影計画機関/国土地理院)

30mもの人工の丘まで作ってしまうとは凄いエネルギーである。

それはさておき、移動運用。
丘の東端に展望台が設置されているが、「花の丘」に近く、人の出入りも多い。
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周辺を探索すると鬱蒼とした樹木に囲まれて眺望はないものの、散策路からやや離れているので気兼ねなく無線ができそうな場所を見つけ、ポケットダイポールを上げて、6mメインに運用開始。
昭和記念公園は真ん中辺りに立川市と昭島市の境界線がある。
「こもれびの丘」は立川市の領域だ。
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時刻はすでに15時を廻ろうとしている。移動運用としては遅すぎる時間帯の上、0.5~1WではCQを出しても呼ばれない。朝オープンしていたEsも出ない。
それでも17時過ぎまでに50、144、430MHz含め、8局と交信。
最後、展望台に戻り、ハンディー430FMでCQ。やっとお隣、昭島市固定局より応答いただいた。
各局交信ありがとうございました。
「こもれびの丘」展望台の標高は119m。なんと立川市の最標高地点らしい。
樹木の間から富士山も覗える。手前は丹沢か?
多摩丘陵方面も見渡せ、意外と高度観はある。
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この日は閉園が18時。気がつけば17時20分近く。
あわてて展望台を降りて西立川ゲートへと戻る。
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夕景をバックに公園の樹影が浮かぶ。
造園開始してから約30年だろうか?それにしてもよくここまで人工の森や池、丘を作ったものである。
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帰りは迷わなかったのでゲートには20分程で到着。
西立川駅からは綺麗な夕景が覗えた。
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報道などによると保留地だった立川基地西部地区は米軍から返還された後も30年以上実質放置されていたので、自然な森と化していたそうな。
松任谷由実の「LAUNDRY-GATEの想い出」でも歌われた洗濯工廠の施設跡や引込み線廃線跡がつい最近まで残っていたらしい。
結局、国際法務総合センター建築のため、その天然の森は伐採、更地にしてしまったという。
旧米軍基地施設エリアを膨大な労力で解体し、僅か数年で人工の森や池、丘を造営したかと思えば、30年間放置した結果、自然に生い茂った天然の森の方をあっさり更地にしてしまったりと、やっている事がどうにも滑稽に思えてしまうのは自分だけか?
いっそ、返還後、全てのエリアで何もせず、施設をそのまま廃墟化するにまかせ、「立川自然保護区」として天然森に戻しておけばよかったという気もする。
もっとも、災害時の避難場所としての機能も有するエリアとしての立川基地跡地利用という観点からでは「放置」は難しかったのだろう。
もし、大ケヤキが西部地区に生えていたら今頃伐採され産廃として処理されていたのは想像に難くない。

交信データ
移動地/東京都立川市昭和記念公園「こもれびの丘」移動
交信日時/2018年5月12日
交信時間/1507~1709JST
周波数/50・144・430MHz/SSB・CW・FM 
天候/晴れ

無線機/ヤエスFT817・スタンダードVX-3
アンテナ/ミズホポケットダイポール・付属垂直ヘリカル
出力/0.5~1W
延べ交信局数/8
50MHz4(SSB1、CW3)、144MHz1(SSB1)、430MHz3(FM3)
交信相手所在地/東京都2(多摩市、昭島市)、神奈川県4(横浜市保土ヶ谷区、川崎市麻生区、中原区、平塚市)、埼玉県1(比企郡ときがわ町堂平山)、栃木県1(塩谷郡塩谷町)

                                                                                                           

東京都立川市昭和記念公園『こもれびの丘』におけるFM放送受信リスト(コミュニティーFMのみ)

受信日/2018年5月12日・受信機/VX-3・アンテナ/イヤホーンアンテナ

周波数(MHz)局名信号強度(5段階)
77.5八王子FM
      
77.7FM入間      
2
79.0多摩レイクサイドFM(東村山)      
3
84.2FM西東京(西東京市)      
4
84.4立川FM      
4


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