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移動運用その162/静岡県田方郡函南町十国峠移動(2016年5月28日)

5月は1年を通して移動運用に最も適したシーズンであるが、今月中に赴いた本格的移動運用はGW期間中の二日間のみ。
今年の5月は晴天が続き、移動にはベストのコンディションだったのだが例年に比べ、週末に動ける機会が少なかった。
最終週に何とか時間を設けて遠征を考える。
候補地としては箱根外輪山の金時山か、熱海近郊の十国峠を狙う。どちらも自分にとっては未踏地だ。
天気予報では、28日の土曜は晴れ間も広がり、まずまずの天候のはずだったが、朝、起きてみると曇天。
ややモチベーションが落ちる。こんな日に1時間半の登山を要する金時山に登っても爽快感は得られない。大山の二の舞だ。
結局消去法で、公共交通機関だけで辿り着ける十国峠を選択する。
十国峠とは静岡県田方郡函南町と熱海市の境に位置する標高770mの峠。熱海と箱根を結ぶ県道20号線のレストハウスがあり、ケーブルカーで山頂に登れる。
十国峠ケーブルカー公式サイトの案内によると
「十国峠の名前は、昔の国名で「伊豆」「駿河」「遠江」「甲斐」「信濃」「相模」「武蔵」「上総」「下総」「安房」の十の国がここから見渡せたことに由来します。
現在の静岡県・山梨県・長野県・神奈川県・東京都・千葉県です。
晴れ渡った日の十国峠の頂上からは富士山や南アルプス、駿河湾はもとより湘南海岸や三浦半島をご覧いただけます。」
とある。
あまり移動運用地としては聞き慣れないロケーションだが、三才ブックス刊『ラジオマニア』2015年編に掲載された「FMラジオで全国制覇の旅を始めよう」という記事に、この十国峠が紹介されていたので以前から移動地の候補に挙げていた。
但し、十国峠に向かうバスの始発は09時18分。気合を入れて早朝から出発するつもりだったのだが、バスがなければ意味がない。
JR東京駅0701JST発、上野東京ラインに乗り込むが東京始発ではないので窓側のクロスシートには座れず、暫く窮屈な時間を強いられる。
相変わらずの曇天で車窓の風景も冴えない。
沿線の肉屋の看板に豚が2匹描かれていた。
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モチベーションは上がらず、もう途中の逗子辺りで下車し、近場でお茶を濁すかとまで考える。
小田原を過ぎて車窓左側に相模湾が望めるが、全面鼠色。
確か、昨年4月の大室山移動の時もこんな天候だった。どうやら伊豆方面の移動運用時は天候に恵まれないジンクスがあるようだ。
熱海には午前9時丁度に到着。
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2時間も旅情のない通勤型電車に揺られ、げんなり。それに片道1944円もかかる。
駅舎を出て、バスターミナルへ。
「十国峠登り口」を経由するのは2番ポールに到着する伊豆箱根バスの「箱根園」行きだけ。この始発が9時18分。その上、夏季でも1日に8本しかない。
その終バス時間は14時18分。この時間を逃したら十国峠には行けない。更にシーズンオフ、12月1日から~3月19日の間は季節運休があって半分の4本に減る。
公共交通機関を使ってでの十国峠訪問は容易ではない。
停留所に遣ってきたのはレオカラーのバス。昨年の箱根駒ケ岳移動の際にも使った西武系だ。
小田急系の箱根登山鉄道はフリーパスなど使い勝手が良かったが、西武系の伊豆箱根バスはどこかマイナーでわかりづらい。
西武系にもこの路線には「絶景富士山乗車券」というフリーパスがある。
熱海駅~十国峠登り口間のバス乗り放題で箱根 十国峠ケーブルカーの1往復乗車付きの割引乗車券だ。
これを使えば通常バス、ケーブルカー往復で2000円の運賃が1200円で済む。つまり800円もお得。しかし、それを知ったのは帰宅後。
小田急系なら駅構内の自販機でフリー切符を購入出来るが、伊豆、箱根直近まで自社の鉄道が乗り入れていない西武系だと、どこで割引切符を購入出来るか把握しづらい。
この「絶景富士山乗車券」が購入できるのは熱海のバス営業所かフリーエリアのバス車内。
知らないでバスに乗っても運転手は教えてくれないから、事前に情報が必要となる。
もっと入念に調べるべきであった。
それはさておき、バスは定刻どおりに出発。
乗客は自分を入れて6~7人。暫くは熱海市内を循環する。
湾の高台に中波送信所らしき鉄塔が望めた。
やがてバスは山中のワインディングロードへ。
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熱海と箱根を結ぶ県道20号線を走る。
急カーブが続き、目が廻る。箱根、伊豆近辺の道路は皆、こんな感じで乗り心地がよいとはいえない。
峠に近づくにつれ、ごみ焼却場の大きな煙突が見えてくる。火葬場も併設されているらしい。
十国峠周辺にはこの辺りの死者の霊が集まるという言い伝えもあるという。恐らく古くからの霊場なのだろう。
バスは約40分で「十国峠登り口」に到着。時刻は09時56分。
片道料金640円を運賃箱に流し込む。
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ここで降りたのは自分独り。これまたいつものパターン。
熱海駅への最終バスは16時35分。これを逃すと大変なので早めの行動を心がける。
十国峠は予想よりも広く綺麗な駐車スペースとレストハウスが備わっている。
駐車場には結構な台数の車が。比較的賑わっている様だ。
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ケーブルカー入り口はこのレストハウス2階にある。
十国峠ケーブルカーは1956年に開設された総延長0.3KM。標高差101mの小規模な路線。
チケットは往復で720円。高尾山ケーブルカーは往復980円だが総延長1,02KM、標高差271m。
単純に比べられるものではないが若干割高感もある。
十国峠チケット160528
だいたい15分サイクルで運行されているようだ。こちらの最終も16時半と早い。
乗客はアベックと女性グループで8人程度か。自分以外は全員自家用車利用の観光客。
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あっという間に十国峠駅に。
駅舎を出ると望遠鏡といくつかの石碑が置かれている展望広場がある。
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外から見る駅舎は麓のレストハウスと対照的に年代もので、恐らく1956年開設当時から殆ど改修されていない様子。
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2階の展望室は入れるのだろうか?人影は見当たらない。
昨年2月に赴いた箱根駒ケ岳ロープーウェイ駅舎の様相に近い。また、近年廃止された駒ケ岳ケーブルカーの仕様に近い印象を受けた。
総じて西武系は、もう箱根、熱海の観光施設に大規模投資する余裕がないように見受ける。朽ちるに任せているという印象。
皮肉にもこの廃墟感に興味をそそるものがある。
ここが起点のハイキングコースがあるようで、そのチラシが駅舎に置かれていたので紹介する。
十国峠パンフa
十国峠パンフb
天候は相変わらず、曇天。
晴れれば、富士山から駿河湾、相模湾、伊豆大島、箱根、そして都心のスカイツリーまで見渡せるらしいのだが何も見えず。
「十国」どころか「一国」も見えない。
案内には伊豆半島がフィリピン海プレートに乗って日本列島にぶつかり、現代の地形が形成されるまでの過程も地学的に見渡せるとある。
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しかし、この天気ではわずかに駿河湾が見えるか見えないか程度。富士山の裾野すら判らず。
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北に続く尾根沿いの先に覗えるはずの箱根駒ケ岳もまったく見えない。
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東の眼下に何とか湯河原の町並みと真鶴半島が確認出来る程度だ。
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10時25分、430FMハンディーに海老名市の大谷中学AMCのコールが聞こえていたのでお呼びすると繋がった。無線のロケーションとしては悪くなさそうだ。
早速、移動運用場所を探す。
観光客も少なかったので駅舎脇の展望広場でもよかったのだが、あまり目立ちたくはなかったので、若干南に下った草地にアンテナを上げることにした。
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この辺りは函南町と熱海市の境。十国峠施設所在地は函南町側にあるので、今回は函南町移動として運用した。
遊歩道の脇にあったこの「LOVE]の看板は何なのだろう?
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この時間帯は風もなく、アンテナも高く上げても安心だった。
鶯の合唱がよいBGMになる。
10時53分より50MHzで運用開始。
ちょうどEsが発生しており、海外はBM、国内は沖縄から四国まで開いており、非常に賑やか。
こちらも呼びに回る。1w送信、ポケットDPでもEs伝播で沖縄、鹿児島、宮崎、長崎、山口の局と交信。
地上波でも7エリア福島県の移動局が何局か聞こえた。
Esが一段落した12時50分過ぎからCQを出し、各局さんからお呼び頂いただく。
曇りながら穏やかな天候だったが、13時過ぎより北西の風が吹き始める。段々と寒い位の体感に。
更に14時過ぎると、駿河湾のほうから霧が上がってきた。
この天気変動パターンは昨年4月に移動した大室山と酷似している。
視界がどんどんなくなり、ケーブルカー駅舎も姿を消す。
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妙な霊場の雰囲気が漂う。
風も強く、アンテナが心配になったので14時半に撤収。
10時25分から14時34分までに33局と交信。50MHz31(SSB18、CW13)、430MHz2(FM)。
交信相手所在地は福島県1、茨城県2、埼玉県1、東京都3、千葉県4、神奈川県6、静岡県2、山口県2、長崎県1、鹿児島県4、宮崎県2、沖縄県1、不明4。
こちらのCQにお呼びいただいた局は14。
特定小電力無線はL3chでワッチしていたものの入感なし。正午前にCQを出したが応答はなかった。

アンテナ撤収後、駅舎のある展望広場に戻り、14時40分頃から15時20分頃までFMDXを実施。
VX-3にイアフォーンアンテナでFM放送帯をワッチ。霧で覆われ何も見えずジメジメした空気が纏わり付いて落ち着けない。
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最終バスに遅れることは許されないので時間的余裕もなく、入念なチェックは難しく、受信可能な局も確認し損なったかもしれない。
それでも推定を含めて清水、沼津、三島、平塚、横須賀、葉山、熱海、鎌倉、富士、伊豆の国の各CFMを受信。
またこの時間帯もEsが継続中で、イヤフォーンアンテナでも中国語局が多数聞こえていた。
スカイツリーからの電波も強く、都内と殆ど変わらず。
15時30分台のケーブルカーで麓レストハウスに降りる。
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運転台には女性スタッフ。これまた霧で何も見えない。
最終バスには多少時間があったので暫くレストハウス内で待機。
峠越えの休憩地にもなっているので自転車やバイクで訪れる人も。
相変わらずの霧。430FMでワッチしても麓のレストハウス前では都心方向が影になってしまうので静か。富士吉田市移動局が聞こえていたが弱い。ハンディーでは交信は難しい。
16時35分、ほぼ定刻どおりに熱海駅行きのバス到着。
ここから乗る客は往路同様、自分一人。
熱海駅には17時10分頃到着。
熱海駅舎は改修中らしい。
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今回は終始外食せず、口にしたのはレストハウスで買った108円のグミのみ。
すぐに17時18分発高崎行きに乗り込んで帰路に就く。
BGMはK-MIX熱海。
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18時過ぎてやっと雲間から陽が覗く。
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車窓からは茜色の黄昏が多摩川に映る。
最寄阿佐ヶ谷駅に着いたのは19時半を回っていた。


結局、今回の遠征費用は殆どが交通費
阿佐ヶ谷、熱海間JR運賃1944円×2=3888円
熱海、十国峠入り口バス運賃640円×2=1280円
ケーブルカー運賃360円×2= 720円
TOTAL 5888円


特急も使わず、外で一切食事せず、行って帰るだけで6000円近い出費はコストパフォーマンスが良くない。
「絶景富士山乗車券」を使えば800円安くなったのを知らなかったのも痛い。
ロケーションとしては悪くなかったが、公共交通機関利用者にとって、十国峠は利便性、経済性において厳しい。絶景も拝めなかったので尚更残念感が漂う。


結局、これだけ晴天が多かったにも拘わらず、5月中の移動運用で晴れたのは8日の高尾山だけ。
わざわざ天気の悪い日を選んで外出したようなもの。どうにもタイミングが悪かった。



交信データ
移動地/静岡県田方郡函南町十国峠(標高774m)
交信日時/2016年5月28日
交信時間/1025~1434JST
周波数/50MHzSSB/CW・430MHz帯FM・特定小電力無線422MHz帯

天候/曇り後霧
無線機/FT817 スタンダードVX-3 ユニデンSLT001
アンテナ/ミズホポケットダイポール 付属ヘリカル
出力/0.5~1W(特定小電力無線/10mW)
延べ交信局数/33
50MHz31(SSB18、CW13)、430MHz2(FM)
交信相手所在地/福島県1(石川郡石川町)、茨城県2(潮来市、東茨城郡大洗町)、埼玉県1(さいたま市見沼区)、東京都3(江戸川区、葛飾区×2)、千葉県4(市川市、柏市、館山市、印旛郡栄町)、神奈川県6(横浜市瀬谷区、綾瀬市、大和市、海老名市、足柄下郡箱根町、南足柄市)、静岡県2(富士市、駿東郡清水町)、山口県2(山口市、下関市)、長崎県1(大村市)、鹿児島県4(鹿児島市、志布志市、曽於郡、大島郡)、宮崎県2(指宿市、串間市)、沖縄県1(那覇市)、不明4。

 


静岡県田方郡函南町十国峠でのFM局受信リスト

受信日/2016年5月28日1440JST・受信機/スタンダードVX-3・アンテナ/イヤフォーンアンテナ

周波数(MHz) 局名 信号強度(5段階)
備考
76.3 FMマリンパル(清水)
3
 (推定、伊東の可能性も)
76.5 インターFM(横浜)
5
 
76.7 コーストFM(沼津)
4
COZY ウィークエンドぬまづ
突然アヤノクイズ
77.1 放送大学
4
 
77.7 ボイスキュー(三島)
 
78.0 BAY-FM(千葉)
5
 
78.3 FMナパサ(平塚)
4
 
78.5 ブルー湘南(横須賀)
5
 
78.9 湘南ビーチFM(葉山)
5
 
79.2 K-MIX(静岡)
5
 
79.6 FM熱海湯河原(熱海)
5
 フリースタジオ796
80.0 東京FM(東京タワー)
5
80.7 NHK千葉
5
 
81.3 J-WAVE(スカイツリー)
 
81.9 NHK横浜(円海山)
5
 
82.5 NHK東京
5
 
82.8 鎌倉FM(鎌倉)
4
 
83.0 K-MIX(熱海)
5
 
84.2 NHK熱海
5
 
84.4 レディオF(富士市)
5
 J-WAVE中継
84.7 FM横浜(大山)
5
 
84.9 NHK芝川 
4
 
85.3 NHK(伊豆長岡)
4
 
85.8 K-MIX(芝川)
4
 
86.6 K-MIX(伊豆長岡)
5
 
87.0 FM横浜(磯子)
3
 
87.4 BAY-FM(勝浦)
 
87.7 FMいずのくに
3
 
88.3 J-WAVE(六本木)
4
 
88.8 NHK静岡
5
 
89.7 インターFM(東京)
5
 
90.5 TBS補完(スカイツリー)
5
 
91.6 文化放送補完(スカイツリー)
5
 
93.0 ニッポン放送補完(スカイツリー)
5
 
94.6 茨城放送補完(水戸)

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