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移動運用その144/山梨県富士吉田市富士山移動その2(2015年8月22日)

二日目22日土曜日 天気晴れ
午前3時頃、ご来光を山頂で迎える登山者が出発。午前4時過ぎにはスタッフが「あと1時間くらいでご来光です」と残っている宿泊客を起こしにくる。
体がだるい。頭が痛い。何のやる気も出ないが、ご来光を見なければここに来た意味もないと体を鞭打って外に出る。
東側に位置するテラスからは茜色の雲が輝き始めようとする日の出前の空が広がっていた。
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これを見た瞬間、急に元気になる。
デジカメ2台を駆使してどんどん撮っていく。
4時45分位から撮り始める。地平線の向こうがどんどん明るくなっていく。
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4時50分頃には赤みを増して上空の雲も茜色に染まり始める。
そして5時3分頃、太陽が雲海から顔を出した。
5時5分くらいには完全に太陽が地平線上に現れる。
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強風が吹いていたが、ぜんぜん気になることもなく、ひたすらにご来光を撮り続けていた。
いつしか、頭の痛さも倦怠感も感じなくなっていた。
やはり、これを見てこその富士登山なのだ。
晴れてよかった。頑張ってここまで来た甲斐があった。
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だが、しかし、このまま予定通り山頂に向かうべきか迷った。
山小屋スタッフが「調子の悪い人は、朝だけ通過できるブルドーザー用の下山道に案内します」とアナウンスしていた。
見ると本当に高山病でぐったりしている宿泊客も居る。
恐らく、何割かの登山者は必ず発病するので、こういった毎朝の下山者案内ルーチンがあるのだろう。準備万端である。
自分も今のところは回復傾向だが、上に行ってダウンしたら事だ。それに二日かけて登ってきた富士山を一日で一気に5合目まで降りなければならない。それにかなりの風である。
それを考えると自重もやむなしと判断。
初めての富士登山で3000mまで来られただけでも御の字だろう。
そういえば飲料水が底を突いてしまっていたので、この山小屋でホットの玉露をポットに詰めてもらう。500円かかったがありがたい。

標高3000mから下山 
5時50分。下山者グループと共にブルドーザー専用道路で下山を開始する。砂避けのスパッツも装着した。
熱いお茶が旨い。
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6時半過ぎ、7合目花小屋前に着く。
ここから昨日昇ってきた九十九折の坂を下っていけばよい。

標高2700m付近の眺望
まだ移動運用が残っている。
山頂は断念したものの、7合目付近での移動運用は諦めてはいなかった。
だが、富士山は登山道と山小屋テラス以外にスペースがない。登山道を外れると落石の危険がある。普通の山のように道端や東屋で移動運用という訳にはいかない。
仕方なく、九十九折の落石避けの柵脇にレジャーシートを敷いて移動運用することにする。
目の前をひっきりなしに登山者が通るが致し方ない。他に場所がないのだから。
ただ、7合目といっても標高2700mある。
眺望は抜群で西には南アルプス、正面の北方面には眼下に河口湖、三つ峠。その向こうに大菩薩嶺、雲取山。北東には山中湖。
東には箱根金時山。その向こうに東京湾。
雲海が出ては消え、その壮大な雲上からの移動運用は格別なものがある。
まず西のほうから。
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つづいて正面北方から東。河口湖に三つ峠、その向こうに大菩薩嶺、雲取山などが望める。
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つづいて北東。雲がなければ山中湖が見えるはずだったが、雲海に覆われ、時々しか姿を現さず。
丹沢山系が望める。いつも東京からだと大山とか目立つのだが、富士山からだと良くわからない。
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つづいて東。箱根山や外輪山に聳える金時山が目立つ。その向こうが小田原市。
相模湾も望める。今年の2月には箱根に移動して、逆に富士山を眺めていたのを思い出す。
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標高2700m付近で移動運用開始
午前7時頃からポケットDPアンテナをポール代わりのストックに設置し、FT817、出力1WQRPで50~144MHzのSSB,CWにQRVを開始する。
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50MHzで最初に交信したのはこの日から始まるハムフェアー記念局8J190Y。
13時頃までここに留まり、30局と交信。
昨日21日の430FMハンディーの交信を含めて50MHz23(SSB18/CW5)、144MHz2(SSB1/CW1)、430MHz18(FM)のトータル43局。
都道府県別では東京都14、埼玉県5、神奈川9、山梨6、茨城4、千葉3、不明2。
結局、1エリアのみの交信。期待された0,2エリアは交信の機会に恵まれなかった。
FMDXもこの7合目で改めて実施。
5合目と大きな違いはないが、とにかくロッドアンテナを微妙に調整して局名確認する。
更にワンセグも自動スキャンでチェック。
在京局以外では、千葉テレビ、とちぎテレビ、テレ玉、テレビ信州が受かる。
特定小電力無線もワッチとCQを繰り返したが、交信局はなし。時たま業務交信が入ってくるのみ。
移動ステーションも見つからない。週末土曜日としては少なすぎる。皆ビッグサイトに出掛けてしまったのだろうか?
因みにこの日は東富士演習場で総合火力演習が開かれていた。遠雷の様な音がひっきりなしに聞こえてくる。吉田口からだと御殿場は裏になるが、それでも砲弾の響きがズンズンと伝わってくる。
その音に不安になったのか、外国人登山家が片言の英語で「あれは何の音か?箱根の火山噴火?」みたいなことを尋ねて来た。
こちらも片言の適当な英語で説明すると納得したようだ。
いずれにせよ、前述したように運用中にたくさんの登山者が通り過ぎるので、じろじろ見られたり、写真を撮られたりと大変であった。
その上、細かい砂埃が襲い、機材が砂まみれに。挙句デジカメの1台が砂塵によってトラブルを起こしてしまったほど。
更に強烈な紫外線だ。
標高2700m辺りの日光は平地に比べ、相当量の紫外線が弱まらずに降り注ぐ。日焼け止めの用意を忘れてしまったために露出部分の肌が真っ赤になってしまった。
総じて天気は良かったのだが、暑い、寒い、濡れる、焼けるが極端だから富士山は侮れない。
さすがに絶えかねて、ここを13時過ぎに撤収する。
その撤収作業中、公園レンジャーを名乗る人が通りかかって何やら告げてくる。
どうやら5合目以上で備品にアンテナのような工作物は設置してはならない云々とのこと。
ポケットDP程度のアンテナすら駄目らしい。柵にストックをゴム止めしてアンテナポール代わりにしていたのが良くなかったのか?
それともカメラの三脚だったら問題ないのか定かでないが。
オフィシャルサイトを覘いても、明確に出ているのはテント禁止や石の持ち帰り禁止など。個別に何が駄目という指示がないから人によって様々に解釈されよう。
ここは国立公園内なので、現状を変更するような行為は総じてNGということらしい。
とにかく5合目より上はハンディー機、もしくはポータブル機を身に着けながら付属ホイップアンテナで運用するしかないようだ。
いずれにしろ、富士山は日本最高峰でありながら、5合目から上は気楽に移動運用出来るスペースはほぼ、ない。
今回は8合目以上に登らなかったので、頂上付近のことは確認できないが、登山道と山小屋テラス以外に自由に動けるスペースがなく、かなり不自由を感じた。特別な許可を得たりすれば出来ないこともないだろうが、気楽さが売りのQRP運用からすると煩わしい。
1975年当時のような機材を担ぎ上げての頂上ペディション移動運用 は、特別に許可を得ない限り難しい雰囲気だ。
富士山移動運用記ブログが思ったより少ないのはこういった理由なのかもしれない。
撤収し5合目へ
13時過ぎ、撤収を終え、九十九折の登山道を下っていく。
登りよりも下りの方が厄介。バランスを崩して何回か尻餅をつく。
そのうち膝に来て耐え難いことに。ガイドブックでは下りの方が辛いと記してあったが何となく納得。
約1時間で6合目到着。
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この日は土曜日なので14時を回ってもひっきりなしにツアー登山者グループが登って行く。
17時少し前に5合目着。相変わらず中国系の観光客でごった返している。トイレも行列だ。
とにかく日焼けした肌を冷やすため、タオルに水を浸して当てる。
水がある程度自由に使えるのは5合目から下だ。
5合目郵便局でQSLカード数枚にスタンプを押す。予定なら山頂郵便局だったのだがやむ無し。
ここでも中国人観光客が記念に手紙を投函するためごった返していた。
18時発、富士山駅行きのバスに乗る。疲れてウトウト。
19時過ぎ、河口湖駅で降車。富士急行線に乗り代え。
運が悪かったのか、河口湖-大月間、大月-高尾駅間、高尾-三鷹間、三鷹-阿佐ヶ谷間、ずっと各駅停車。直通列車なし。
おかげで4時間近くかかってしまった。
お金、手間、時間をかなりかけてしまった富士山遠征であったが、初めてでもあって期待通りにいかない面も多々あった。
しかし、何とか3000mまで足を伸ばし、ご来光を拝めたことは収穫であった。
次の機会があればチャレンジしてみたい。
今回の健忘録として
1、撮ったはず、撮るべきテーマの写真が撮れていない。晴れていたのに星空もまったく観ていなかった。やりたかったことの積み残しが気になる。慌しかった。
2、荷物が多い。だがそれでも無駄と思われた荷物は少ない。それだけ富士登山はいろいろと備品が必要。
3、五合目以上は移動運用、BCL共に余裕ある場所がない。アンテナも基本的に大きいものはNG.8合目以上は未確認。
4、高山病は就寝中に症状が出るが意識過剰も禁物。 山頂アタックには思い切りも必要。


交信データ
移動地/山梨県富士吉田市富士山8合目~7合目(標高3000m~2700m)

交信日時/2015年8月21~22日
交信時間/21日1922~2021JST/22日0701~1309JST
周波数/50MHzSSB/CW・430MHz帯FM・特定小電力無線422MHz帯

天候/21日霧時々晴れ・22日晴れ時々曇り
無線機/FT817 スタンダードVX-3 ユニデンSLT001
アンテナ/ミズホポケットダイポール 付属ヘリカル
出力/0.5~1W(特定小電力無線/10mW)
交信局数/43
50MHz23(SSB18/CW5)、144MHz2(SSB1/CW1)、430MHz18(FM)

交信相手所在地/東京都14(世田谷区、足立区×2、中央区、荒川区、江戸川区、中野区、多摩市、江東区、八王子市×2、調布市、小平市、三鷹市)、埼玉県5(志木市、さいたま市見沼区、飯能市、新座市、比企郡川島町、)、神奈川県9(横浜市神奈川区、瀬谷区、戸塚区、横須賀市、大和市×2、藤沢市、小田原市×2)、山梨県6(北杜市、甲州市×2、甲府市×2、北都留郡丹波山村)、茨城県4(牛久市、常陸大宮市、結城郡八千代町、筑西市)、千葉県3(松戸市、八千代市、夷隅郡大多喜町)、不明2。



山梨県富士吉田市富士山7合目(標高2700m付近)でのFM局受信リスト
受信日/2015年8月22日1147JST~・受信機/スタンダードVX-3・アンテナ/ホイップアンテナ

周波数(MHz) 局名 信号強度(5段階)
備考
76.1 インターFM(東京)
5
 
76.4 レディオベリー(宇都宮)
5
 
76.7 市原FM(市原)
4
 
76.9 LCVFM769(諏訪)
2
 
77.1 放送大学
5
 
77.6 FMフジヤマ(富士河口湖)
4
 
78.0 BAY-FM(千葉)
5
 
78.2 武蔵野FM(武蔵野市)
78.6 FM富士(三つ峠)
78.9 湘南ビーチFM(葉山)
 
78.9 かつしかFM(葛飾区)
 イガラシノキン
79.5 ナック5(さいたま)
 
79.7 FM長野(長野)
5
 
80.0 東京FM(東京タワー)
 
80.3 NHK宇都宮
5
 
80.7 NHK千葉
 
81.3 JWAVE(スカイツリー)
5
 
81.9 NHK横浜
5
 
82.2 FM八ヶ岳(北杜)
5
 道の駅小淵沢CM
82.5 NHK東京
 
82.8 鎌倉FM(鎌倉市)
5
 (推定)
83.0 FM富士(甲府)
5
 
83.2 NHK水戸
4
 
83.5 NHK小田原
5
 
83.8 NHK御殿場
5
 
84.0 NHK長野
 
84.4 Radio-f(富士市)
 
84.7 横浜FM(大山)
5
 
85.1 NHKさいたま
5
 
85.4 (不明局)
4
 音楽
85.7 (不明局)
4
 音楽
86.0 NHK三つ峠
5
 
86.3 FM群馬(前橋)
4
 
87.4 BAY-FM(勝浦)
4
 
88.8 NHK静岡
4
 
89.7 INTER-FM(スカイツリー)
5

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