ハムフェア2011雑感
今年もハムフェアが8月27日、28日の2日間、東京ビッグサイト西2ホールで開催された。
赴いたのは2日目日曜日。天気は前日の曇り空から晴天に。夏らしい日となった。
12時過ぎに現地到着。もうこの時間帯には行列もなく、普通に入場出来た。
入場口近くには東日本大震災の被災地復興物産展コーナーが設けられており、現地の特産品が並べられていた。
入場後はほぼ毎年決まったルーティンをこなしていく。まずQSL転送コーナーにカードを出す。それからオノウエ印刷のブースで新しいデザインのカードを発注する。
昨年からハムログを導入したのでレポート面はプリンターで出力しやすい仕様にする。
一方、「絵葉書面」は従来どおり業者に印刷を依頼。家庭用インクジェットプリンターだとインク代がべらぼうに高いのでコストパフォーマンスを考えると業者のほうが安くなるためだ。
入稿後、くじ引きがあるというので引いてみたらTシャツが当った。もっとも当選確率は高いらしく半分くらいが当たりくじのような感じ。
企業ブースは相変わらず小さく纏っている。
気になったのはケンウッドのブース。
珍しくコンパニオンが二人いた。特に目玉新製品がある訳でもなさそうだが、なぜだろう?
かつて1990年代は各メーカーにコンパニオンがいて、人気投票みたいな企画もあったと記憶する。
それが近年、メーカーブースの縮小化に伴い、コンパニオンの類は殆ど見なくなって久しい。
華々しいゲームや携帯を扱うイベントではなく、ハムフェアでのコンパニオンはもはや場違いにも感じてしまう。
そのコンパニオンが配っていたのが「TH-D72で楽しむAPRSの世界」という小冊子。
元々CQ誌5月号の付録らしい。
APRSとは位置座標などの様々な情報を無線やネットを通じて交換出来るというシステムらしい。GPSから得られた位置情報や気象観測装置のデータを送信できるとか。
D-STARとどう違うのだろう?デジタル通信には疎いのでよく解らない。
いずれにしろインターネットに依存している部分が多く、大抵の情報は携帯やスマートフォンで取得可能で敢えてアマチュア無線で代替する必要性は感じられない気もする。
誌面では高尾山ハイクでの使用例が載っていた。
ローマ字でのメール交換とか出来るらしい。ポケベルを彷彿とさせた。APRSはアメリカ発のシステムなので日本語は使えないらしい。
またAPRSは移動運用行程のマッピングも出来るようだ。
便利ではあるが、ハンディー機の小さいボタンをチマチマ動かして様々な機能設定する煩雑さは移動運用には合わない。
それにハンディー機は一つのボタンを様々な用途に重複させているから使い方を覚えきれない。直感で操作できない面倒くささには閉口する。
APRSは広大なアメリカ大陸では威力を発揮するかもしれないが、日本のようなどこへ行っても携帯が繋がる人口密度の高い島国ではどうなのだろう?
無線機に限らず、最近は日本発のシステムを見る事がなくなった。日本で普及させるなら日本語が手軽に使えるシステムをメーカーが開発して提供しないと難しいのではないか。
円高でもうメーカーにそんな余裕はないのだろう。
ついこの前まで無線機やラジオといえば日本製品が席巻していたのに。まさに栄枯盛衰。
そのうち、みんな欧米メーカーのライセンス製品ばかりになるかも。
もっとも国内で製造するメリットもないから単に欧米製のシステムが乗っかった中国製無線機を輸入するだけの日が来るかもしれない。
一方、八重洲のブースでは「アマチュア無線デジタル通信ガイド」というものが配られていた。
様々なデジタル通信方式の違いや長所短所を紹介し、このメーカーの押す最新鋭のデジタル通信方式を奨励していた。
八重洲はこの方式によるデジタルハンディー、モービル機を2012年初頭に投入するとか。
また、アイコムのブースでは新製品の430デジタルハンディー機ID-31が紹介されていた。
GPSレシーバー内蔵、最高水準の防水、フルドットLCD、マイクロSDスロット搭載で様々なデータ保存が可能。このメーカーは従来のデジタル方式であるD-STARを推奨しているらしく、この方式による「デジタルトランシーバー入門」というパンフを配っていた。
いずれのメーカーもデジタル方式の無線機をプッシュしていることには変わらないが、今尚、試行錯誤して統一基準のないデジタル通信だから、何を選んでよいかよく解らない。
因みに自分は現時点でデジタルに手を出す余裕はない。
今のところは手動デジタル、電信で満足しておく。
一方、クラブブースのほうだが、「LIFT-ON.NET DX CLUB」ブースで以前からお世話になっている方にご挨拶。震災時の体験談等暫し情報交換。「日本短波クラブ」ではアンケートに記入、放送局グッズを戴く。
またライセンスフリー無線サークル「CBCN」では以前、交信していただいた方と名刺交換。
因みにこのサークルが発行している小冊子「エアトーク」は商業誌顔負けのクオリティーの高さ。会員の中にデザイナーさんでもいるのだろうか?
更には「横浜消防アマチュア無線クラブ」を訪問。会場内で交信した際のQSLカード交換などする。
また総務省がやっている「電子申請・届出システム」ブースではアンケートに答えてコールサイン入りステッカーを貰う。再免許申請の時は使ってみよう。
また、今回もVX-3ハンディー機と特定小電力無線機を持参したので現地でQRV。
アマ無線では430FMで19局、144FMで2局のトータル21局と交信。港区固定局の他はすべてビッグサイト内かその周辺に移動されていた局。
早速ハムフェア会場移動記念QSLを作ってみる。
一方、特定小電力無線のほうだが、タイミングが悪かったのかレジャー1chで男児のユーザーが父親らしき男性にフォローされながらの交信を聞いただけだった。CQを出している局も居らず、ちょっと残念。
会場内の雰囲気だが、確かに高齢男子が相変わらず大半を占めてはいるが、子供連れも目立ってきた。
1990年代、ハムフェア6万人余の動員数を数えた頃に若い世代だった無線家が父親となり、その子供が育ってきたのだろう。
果たしてアマチュア無線を次世代に繋げる事が出来るのかは未知数だが、少なくとも明るい展望なのかもしれない。
15時半頃、会場から撤収する。
そういえばいつも会場中庭辺りに居た風力発電の局長さんを目にしなかったがご健在なのだろうか?
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