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SANYO ICR-RS110MFのAM/FM受信性能検証

Dscn1010a_4 先日の日記にも記したICレコーダー付きラジオ。
熟考の末、サンヨーのICR-RS110MFを購入するに至った。当初、価格ドットコムで最安値のアマゾンで購入を考えたが暫く在庫切れのようだったので致し方なく家電量販店のネット通販で入手した。
購入価格は1万8千円代。アマゾンの最安値が1万6千円代だったので約2千円割り高だったがポイントが付くので実質変わらない。
基本性能や筐体形状に関しては前回の日記に記したのでそちらを参照のこと。
スペックは製品サイトに詳しく記されているので此処では省く。
アマゾンのレビューを見ても、ラジオとしての基本性能が高く評価されているこのサンヨーICR-RS110MF。
しかし抽象的に「感度が良い」だけでは実質的な性能は測れない。
そこで他のラジオと受信性能を比較したり、各種アンテナを接続してサンヨーICR-RS110MFの受信性能を中心にチェックしてみたい。

Dscn1014_3 さて、パッケージを開けて最初の印象は、やはり小さいとのイメージ。
携帯ICレコーダーなのだからこの大きさは普通なのだが、ここにFM/AMラジオの受信機能も詰め込まれていると考えると如何に凝縮した造りなんだろうと期待が膨らむ。
金属製の筐体なので予想したほどの安っぽさはない。電池の出っ張りがオシャレだ。
クレードルもズッシリしているから安定感がある。

早速、このクレードルにアンテナを装着する。クレードル裏面には、それぞれAM/FM用のアンテナ端子がある。
AM用は付属のループアンテナを電話線のコネクターのようにカチッと接続する方式。
FMはアンテナとアース用の端子が二つ並んでいる300Ωアンテナ端子。ちょうど昔のFMチューナーと似たような構造。ここに付属のリード線を接続してアンテナにするのだが、これでは余りに貧弱すぎる。
そこでF型プラグに接続出来る変換コネクターを用意。
300Ωと75Ωを整合するアンテナ整合器だ。スーパーでも簡単に手に入るマスプロ製。これで屋外アンテナ接続が可能となる。

1.ICR-RS110MF単体での受信結果
Dscn1016a 取りあえずICR-RS110MFをクレードルに装着せずに単体でラジオ受信を試みる。
まずFMから。
単体の場合はイヤフォーンコードがアンテナの代わりをするのでイヤフォーン装着は必須だ。
自宅のロケーションは都区内なので在京県域局は比較的強電界エリアだ。更に木造2階の部屋だからシールドされておらず在京FM局受信は屋内でも良好である。
イヤフォーンコードを動かして最良の位置を見つければ大凡シグナル5で全局受信出来た。しかし横浜FMやBAYFMはやや苦しい。ナック5(埼玉)は比較的送信所から近いので在京局並に受信出来る。あと近場にある世田谷FMも何とかイヤフォーンアンテナで受信可能だ。
普段、使っているソニーSRF-M100と比較しても遜色ない。
若干、受信感度が劣る程度だが問題にするほどではないだろう。
通勤型携帯ラジオ並の受信性能は確保出来ているようで安心する。

次はAMだ。
単体でも在京の基幹局は難なく良好に受信出来る。甲府のYBSラジオや宇都宮の栃木放送も入感する。この小ささである程度の受信レベルを確保出来ているのは驚きだ。430FMハンディー機スタンダードVX-3並だったらどうしようという心配があったが杞憂に終わる。
Dscn1018a 但し、さすがに多信号特性は今ひとつという感じはある。
所々の周波数に相互変調や混変調の「お化け」が出現。ちょっと気になる。
ソニーSRF-M100と比べてもやや目立つ。
当地ではAFNが強いので在京局の民放と相互変調を起しやすく、多信号特性が劣るラジオやチューナーだとバンド内「お化け」だらけとなる。
このICR-RS110MFでも666KHz、720KHz、864KHz、1008KHz、1098KHz、1188KHzに在京強電界局同士の相互変調による混信が発生していた。また1620KHzにはAFNの2倍高調波も目立つ。
オートスキャンするとこの相互変調混信が引っかかるほどである。
しかし、これはロケーションの問題でもあり、別の地域に移動すれば改善される訳で受信機の欠陥ではない。あくまで固有の特性だ。
またラジオの位置をずらして混信を避けると比較的改善も可能なので致命的な問題とは言えないだろう。

2.クレードル装着時の受信結果
単体での受信テストを終えると、いよいよクレードルに装着だ(詳しいテスト結果は表1を参照)。
表1.SONY SRFM-100とSANYO ICR-RS110MFとのFM放送受信情況比較リスト
まずFMから。
手始めにアンテナ端子に屋内アンテナを接続して受信状況をチェックする。
手ごろな屋内VHFアンテナとしてアマチュア無線機八重洲FT690MK2用50MHzローディングホイップを装着してみる。
ところが思うように受信感度がアップしない。
むしろ単体でのイヤフォーンコードで受信しているほうが良かったりする。これは意外だ。
T型フィーダーアンテナも試してみるが芳しくない。どうも相性がよくないのか?
適当な屋内FMアンテナが見つからず困った。
次は本命の地上高約8mに上げているローテーター付き屋外FMアンテナ(ログペリアンテナ)を接続してみる。
普段FMDX用の高性能FMチューナーに装着している最強アンテナだ。
現地ではこの組み合わせで相当数のFM局が受信可能だ。
ICR-RS110MFでも流石に在京局のみならず、千葉、横浜、水戸、浦和、三つ峠のFMがフルスケールで受信出来る。
ただ、適切な方角にアンテナを向けないとマルチパスが原因の「ジュルジュル」という雑音が気になる。
インターFM、FM富士、ナック5、BAYFM、東京FM、J-WAVE、NHK東京、横浜FM全てが同時にベスト受信出来る最適なアンテナ方角はみつからない。各局ごとに微妙にアンテナの位置を回さねばならぬ。
もっともこれは高性能FMチューナーでも同じことでICR-RS110MFに限った事ではない。
問題はAMの時と同じ多信号特性。
高性能アンテナを接続すると、やはり強力な在京FM局の電波を受信機内で「消化」しきれず、FMバンド内に混変調による妨害波がたくさん出現する。
そのため、F-777のような高性能FMチューナーでは難なく受信出来る近隣の弱電界コミュニティーFMはこの混変調や感度抑圧に潰されて聴くことが出来ない。
かつしかFM、いちかわFM、武蔵野FM、渋谷FM等はこのICR-RS110MFでは受信不能。
僅かに世田谷FM、FM西東京、FM入間位が確認出来る。
とはいえ、ICR-RS110MFクラスのラジオに高性能FMチューナーレベルのスペックを求めるほうが酷。
この程度に収まっているのであれば寧ろ大したものだと思うべきだ。
結論から言うと、FMに限ればやはりICR-RS110MFは単体で使用する上で最適な性能を発揮出来る造りになっている。
その限りで言えば、いつも比較対照にするソニーSRF-M100と比べても大きな差はなく、FMラジオとして合格点は与えられよう。
一方、クレードル装着時のAM受信性能はどうか?
昼間と夜間に分けてチェックしてみた(詳しい受信結果は表2及び3を参照)。
表2.SONY SRFM-100とSANYO ICR-RS110MF中波放送受信情況比較リスト(昼間)
表3.SANYO ICR-RS110MF中波放送受信リスト(夜間)
昼は前述した混変調、相互変調が気になったが、夜間は差ほど目立つ事もなくなった。
やはり中波用ループアンテナはそれなりに威力を発揮する。
SRF-M100と比べても何ら遜色はない。
夜間の受信結果を見ても解るように、中波受信環境が劣悪なこの地でもこれだけの局が受信出来た。一般の中波ラジオのレベルは完全に確保出来ている。
AM選択度も悪くない。高性能チューナーF-777のスーパーナロー並だ。
受信環境のよい場所ならばちょっとしたDXも可能かもしれない。
何よりこの小ささで録音も可能という性能を考えればこのレベルの受信性能は補っても余りあると言える。
各サイトでのICR-RS110MFレビュー評価はこれで納得できた。

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