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中波昼間地表波伝播DXの記録

ICR-RS110MFの中波DXテストに触発されて、昔の受信記録を引っ張り出す。
今日ほど受信環境が劣悪ではなかった時代、昼間でも中波帯に耳を傾けてワッチしてみると100km以上遠方の中波局が結構聞こえていた。
昼間に発生する電離層Dが中波帯の電波を吸収するため、電離層反射による遠距離伝播が生じず、比較的近距離の中波局のみが地表波で届く状況下、敢えてその条件のもとで遠距離受信を試みるのも一興だった。
むしろ海外局の混信がない分、100~200km前後の国内中波局をクリアに受信出来るチャンスでもあった。
栃木、茨城、山梨、静岡、長野辺りの民放局はこの時間帯が狙い目だった。

過去の中波昼間地表波伝播DX受信記録の代表として、今から33年前の1978年と25年前の1986年の記録をアップしてみた。
東京杉並区における年代別中波放送受信情況比較リスト(昼間地表波伝播) 
共に太陽活動が静穏期でD層の電子密度が低下。中波昼間地表波伝播DXには有利な時期であった。合わせて今回のICR-RS110MFでの受信結果も併記する。
受信場所はまったく同じ東京杉並区の自宅、木造2階の6畳間である。
中波帯のラジオ局は30年以上経っても周波数変更やQRV、QRTが少なく条件が同じなのでバンド内の経年変化が測りやすい。

さて、最初の1978年当時の受信機はBCLラジオのナショナルRF1150。
MW用のフェライトコアアンテナ部が上部で回転できるようになっており、中波DXにも便利。ただし周波数表示はアナログ。スケール表を作って周波数を読み取っていた時代。因みに当時はまだ10KHz間隔の頃である。
関東一円の民放中波局の昼間受信状況を個別に調べたり、1100kHzに出ている信越、山形、福島の各民放局の信号強度の時系列変化などを調べたりしていた。
当時から中波昼間地表波伝播DXに並々ならぬ関心を持っていたことが覗える。
更にそれから8年後の1986年。
コンディション、モチベーション、受信環境、機材共々充実していた時代。
大型中波ループアンテナ、ナショナルRD-9170とアナログバリコンながら周波数カウンターで直読できるレシーバー、オーレックスSKD-3の組み合わせは中波昼間地表波伝播DXには最適だった。
初夏5月のお昼前後にも拘わらず30局以上の国内中波局が受信出来たのだ。
関東の小電力中継局はもとより、静岡、長野、名古屋、仙台、更には神戸のラジオ関西まで真昼間に聴こえた。
なんといっても中波ループアンテナRD-9170の威力は絶大だった。これを接続させれば大抵のラジオは中波DX機に変身する。一辺が約1mという屋内用にしては巨大な中波ループアンテナだから6畳の部屋で使うと窮屈この上なかったが、その分微弱な電波も捉えてくれるので少しづつアンテナを回転させては最良の角度を模索する楽しみがあった。
当時、RFラジオ日本や信越放送は中継局独自の制作番組やスポットを流す時間帯があり、それを狙ったDXに勤しんだりもした。
RFラジオ日本小田原局も中波昼間地表波伝播DXにおけるターゲットの一つ。独特の中波背景ノイズから弱く聴こえてくるローカルな話題に耳を傾けた。
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信越放送も当時、飯田、松本、軽井沢各局が独自のローカルCMを流す「イブニングガイド」等の時間帯があった。
特に長野と飯田は同じ周波数1098KHzだが、東京からみて角度があるのでRD9170を巧みに回転させて聞き分けていた。
「イブニングガイド」の時間が始まるとそれまでの同一内容からそれぞれ別個の地域限定CMになる。その中に「飯田駅前・・」とかを聞き取る事が出来れば確認完了だ。
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受信報告書も本局ではなくそれぞれの中継局宛に送ったりした。結局、飯田宛レポートは長野本局に転送されてしまったようだが、松本局は独自にベリカードが発行された。
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このような嗜みも中波帯が澄み切った環境だからこそ楽しめたのである。
1990年代になると、次第にゲーム機や家電、パソコンからの近隣ノイズが増え始め、微弱な中波昼間地表波伝播局は雑音の海に次々と飲み込まれていった。
2011年現在、同一受信地で中波昼間地表波伝播DXをトライしてみても、1986年時の半分程度しか受信出来ない。
高性能中波ループアンテナ、RD-9170もこの環境では出番がなく、押入れの中でひっそり眠っている。
日中、RFラジオ日本小田原局が出ている1485MHzにチューニングしても聴こえるのは奇妙なノイズだけだ。
今回、意外に中波の受信性能がいいICR-RS110MFを導入した事で、再びMWDXに火がつくだろうか?

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