移動運用その76/東京都あきる野市大澄山移動(2010年10月24日)
東京CWコンテストに合わせて移動運用。
場所は都立羽村草花自然公園内にある大澄山(地図) 。あきる野市の東端。標高は192mでそれ程高度はないが多摩川西岸に位置する草花丘陵から都心部が見下ろせる位置にあり電波の伸びは良いようだ(あきる野市発行のガイドマップ)。
無線スポットとしては有名で時々移動運用局がQRVしているのを聞く。「おおすみやま」移動と発音している局も多いが、正式には「だいちょうさん」と読むらしい。
ここは1990年4月に過去一回移動運用した事がある。つまり20年振りの再訪となる。
近年、多摩ニュータウン周辺の多摩丘陵や埼玉県境の狭山丘陵にはよく移動したが、多摩川中流の秋川に挟まれたこの一帯は手付かずであった。
この移動運用記では初めてのエリアであろう。
東京CWコンテストは朝6時から正午までと時間帯が早いので移動も早めに出ないと間に合わない。
0745JST、JR阿佐ヶ谷駅から各駅停車で三鷹駅へ。運良く0758JST三鷹発「ホリデー快速おくたま号」に乗継が出来た。
0831JST福生駅着。
ここから徒歩で大澄山へと向かう。
天候は生憎下り坂。雲の隙間から陽が射す程度。傘を忘れてきたのでやや心配だったが、天気予報では夕方まで雨は降らない筈。
福生駅西口から都道165号線に沿って西進。暫くすると多摩川を跨ぐ永田橋に至る。多摩川対岸右手にこんもりと生い茂った丘陵が草花丘陵だ。
永田橋はちょうど架け替え工事中で仮橋のほうを渡る。
見下ろす河川敷にはセイタカアワダチソウの黄色い花が至るところに咲いている。そういえばJR青梅線沿線の線路端でも見かけた。
戦後、米軍の物資に混じって進入してきた外来種で一時は猛烈な勢いで国内に広がったが最近は落ち着いているとか。とはいえこれだけ繁殖しているのだから凄まじいものだ。
仮橋を渡り都道165号線から丘陵に向かって伸びる車道へと右折。
緩やかな上りを暫く行くと道は西にカーブする。丘陵が見えるほうに右折すると慈照寺だ。 その入り口近くに大澄山山頂へと向かうハイキングコースが延びている。
木々が生い茂って暗い遊歩道を暫く進むと、少し開けたところに東屋がみつかる。
ここが大澄山山頂だ。
福生駅から徒歩で凡そ40分位か。
山頂周辺は樹木に囲まれてまったく眺望がない。一部伐採したところがあるが殆ど効果なし。
確か20年前に訪れた時もこんな状況だったか。
周辺の雰囲気が妙に不気味だった記憶が残っている。山頂付近で挙動不審な男が独り徘徊していたり、犬をたくさん飼っている場所が尾根沿いにあったりとあまりよいイメージがなかった。
そんな理由で前回は落ち着いて運用する事が出来ず、1時間程で降りてきてしまった。
もう、20年も経っているのだから状況も変わっているとは思うが、ネットでいろいろ調べると犬の大群は未だ居るようで、実際ワンワン咆える声も聞こえてくる。あまり居心地はよくない。
0920JSTより移動運用開始。東屋には机もあるので楽だ。ベンチだけだと手に電鍵やらマイクやらメモを持ち替えたりで面倒だったが、机があると全部置けるので助かる。
アンテナはDPを木の枝に引っ掛けて設置。
今年は猛暑だったが、久々に屋外で肌寒さを感じる季節になっていたことに気づく。
比較的電波の伸びは良いようで1330JSTまでの約4時間で50MHz29局(SSB8、CW21)、144MHz15局(SSB2、CW13)、430MHz10局(CW4、FM6)のトータル54局。内、東京CWコンテストでのQSOは38局であった。また、こちらからのCQに応答した局は14局という結果だった。
コンテスト以外でも比較的局数が稼げたのは、やはり早い時間帯から移動出来たのが原因かもしれない。
移動運用局がQRVする主な時間帯は午前10時頃から14時位で、固定局もその位の時間帯に集中してワッチしているようだ。
この時間帯を過ぎると急に出ている局数が減ってしまう。
出力、ロケーション以外にも時間帯によって稼ぐ局数が大きく異なる事も考慮すべきだろう。最近、遅い時間帯からのQRVが多かったので興味深い結果でもある。
天候のせいもあったのか訪れるハイカーの数は少ない。やはり雨を心配しての事だろうか?時折、横田基地を離陸する戦闘機系の爆音が響く。眺望がないので機種を確認出来ないのがもどかしい。
FM受信状況をチェックして13時半頃、大澄山を後にする。
ここから遊歩道は草花丘陵を北西に続いており眺望の良いところもありそうなので進んでみる。
暫く行くと左手に墓地。その先に奇妙な「神殿」の廃墟が木陰に見える。
三角形の尖がり屋根が印象的。
ネットで調べると何やら心霊スポット的扱いをされている。周辺から聞こえる犬の鳴き声と相まって確かに不気味だ。
「神殿」は落書きされ放題。誰が置いたのか供物台には縫いぐるみが一つ。
この辺りは宗教施設が多く、それも荒廃気味。全体的に「暗いイメージ」が漂う。天気もドンヨリ。ネガティブに拍車がかかる。爽快さに欠けたハイクだ。
なによりも「犬」である。
20年前と同じく大量の犬がこの辺りで飼われているらしく、ちゃんとした管理もされていないとの噂。
まあ、そんな所の近くを再び通りたくはない。
幸い、遊歩道は一旦下りの階段になって八雲神社という場所に出る。遊歩道も危険な私有地を避けるように設定されているようだ。
都道29号線沿いに行くと、まもなく羽村大橋が見えてくる。
遊歩道は折り返して、再び草花丘陵の中へ。
鬱蒼とした竹やぶでまったく光が遮られ夜のようだ。登ったり降りたりの繰り返しであまり標高は稼げていない。
時々、木陰よりゴルフ場や南西の方向に視界が開けるが都心方向は相変わらず生い茂った樹木で視界が利かない。
妙見堂という寺らしき場所に出るがここも荒廃しているようで立ち入りがたい。不法投棄されたものなのかゴミも目立ち、ホームレスが潜んでいそうで警戒しながら進む。
と、急に開けて新興住宅街が出現。
多摩丘陵や狭山丘陵をハイクすると常に感じるギャップだ。「非日常的」樹林帯から「日常的」住宅街への境があまりにも鋭角的なので面食らってしまう。
「もののけ」が出そうな遊歩道から一歩踏み出すと、自宅前で洗車している一般住民が居たりして気持ちの切り替えが難しい。
熊が住宅街に出現というニュースもこれに似た感覚なのだろう。
なんだか歪である。
それはさておき、遊歩道はやがて立川国際カントリー倶楽部を沿うように続く。
やっと眺望が開ける場所になった。
ゴルフ練習場沿いの遊歩道脇に眺望の利くスペースがあったのでベンチに座って暫くここから写真を撮る。
眼下には多摩川が流れ、羽村大橋とその上流に掛かる歩行者用橋が見下ろせる。羽村堰の近郊で玉川上水の取水口があるようだ。
対岸は福生、羽村市でマンションなどが目立つ。
天気が良ければ西武ドームなどが確認出来たかもしれないが生憎の曇り空で視界がなく残念。
でも、快適な移動運用を考えると大澄山よりもこのポイントのほうが精神衛生上も標高上も好ましい感じだ。
VX-3で暫く430FMでCQを出して世田谷区の局とQSO。また入間市児童館のクラブ局とも交信して過ごす。
時間は15時半。
遊歩道は更に北西に伸びて浅間岳というピークまで行けそうだが、天気も気になったので今日はここで折り返し羽村大橋方面へ降りることにする。
因みに遊歩道には所々道標が立っているので迷う心配は余りない。
竹薮を抜け、羽村大橋を渡り羽村駅へと向かう。20年前来た時もこの橋を通った記憶があるが、細かなルートは殆ど忘れている。
16時頃JR羽村駅に到着。
東京都あきる野市大澄山でのFM局受信リスト
77.7MHz FM入間 S5
78.2MHz 武蔵野FM S2
78.4MHz 渋谷FM S4
79.0MHz レイクサイドFM S4
79.1MHz 川崎FM S4
83.9MHz FM相模原 S2
84.4MHz FM立川 S3
<コミュニティーFMのみ>
(スタンダードVX3/ロッドアンテナ)
使用リグ/FT817(PWR0.5w)、VX3(430FM)
アンテナ/水平ダイポール、付属ヘリカル
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