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小型衛星「Negai☆″」のビーコン受信と相乗り衛星QSL

Kks1a 5月21日にH2ロケット17号機で打ち上げられた金星探査機「あかつき」には各大学が製作した小型アマチュア衛星が相乗りしていた。

UNITEC-1/大学宇宙工学コンソーシアム(UNISEC)
WASEDA-SAT2/早稲田大学

大気水蒸気観測衛星(KSAT)/鹿児島大学
Negai☆″/創価大学

因みにUNITEC-1は金星への軌道に乗り、その他は地球回周軌道衛星のようだ。

その中の一機、創価大学が担当した「Negai☆″」のビーコンを先日受信することが出来た。
5月29日、0257~0305JSTのパス。以下がそのCW受信内容。
「・・・・071000d20・・・・0007bdc5 
soka0a51040071000d208109d80・・・k514c0071000d208109d80007bec7 Kks1a_3soka0a1940・・・0d20・・・0・・・」
(・・・は不明瞭な部分)

<周波数:437.305MHz 受信機:八重洲FT817 アンテナ:CREATE CLP5130-1(ログペリ)約8mh水平固定>
ドップラーシフトが激しくて手動で周波数を追っかける。
衛星が回転しているらしく、QSBが深い。
信号強度はRS41~53。 
受信設備はいつも通りのラインアップ。サテライト仕様のものは何もない。
軌道要素やパスの時間はNegai☆″の管制サイトに詳しく載っているので把握するのは容易である。
この衛星はおおよそ300km上空の軌道を周っているらしく、2週間程度で大気圏に突入するとか。
29日現在、このNegai☆″以外の相乗り衛星はビーコンを受信することが出来ず行方不明になっているらしい。

ところで昨年打ち上げられたJAXAの温室効果ガス測定技術衛星(GOSAT)『いぶき』に便乗した小型衛星、東京大学「PRISM」航空高専のKKS-1に送った受信報告にベリカードの返信があったので紹介する。
この衛星は高度600km位の高度を周っているので今でも健在でビーコンが受信出来る。

因みにNegai☆″のダウンリンク周波数とこの時打ち上げられていた香川大学の小型衛星STARSの周波数が同じでNegai☆″をモニターしていた時にSTARSのビーコンも確認できた。
最近はこのような大学生が中心となった小型衛星が相乗りでどんどん打ち上げられるようになったが、打ち上げ後ミッション半ばで機能不全に陥る衛星が多いように思われる。
ごく初歩的な実験衛星の域を出ないのは致し方ないとはいえ、もう少し耐久性を重んじた設計を考慮してほしいと考える。
A また、大学の研究室が中心となって開発したものは総じて地味で野心に欠ける。
地球回周軌道上や火星に人型ロボットを送り込むとか、軌道上からアニメソングを流すとかこれまで誰もやったことのない奇抜な発想が求められる。
基礎科学的には無意味で馬鹿馬鹿しいことでも宇宙へのロマンを掻き立てるきっかけにはなる。
一見、奇特で無駄なようなことが意外に後継者を育む。
そんな意味も含めて対外的な広報にもう少し積極性が欲しい。
各衛星の管制を扱っているサイトを覗いても、若干判りにくい上に、更新も迅速とはいえないところもある。
大学生が中心となっているからなのだろうか?進学したり卒業したりするとサイトの更新が滞って新しい情報が公開されなかったりと衛星運用の総括とか成果、記録とかがないまま、尻切れトンボで終わっているところが目立つ。
打ち上げるまでのイベントは比較的頻繁に紹介されているが、打ち上げ後の情報提供が今ひとつ。また資金が尽きて運用停止とか、長期的展望に欠けている衛星もある。
A_2今回の相乗り衛星も、たとえばWASEDA-SAT2/早稲田大学の管制アンテナは新宿にあって時々高層ビルに遮られ、衛星と交信出来ない場合があるという。
素人目に考えても万全な体制で挑んでいるとは思えない。
最初から見通しのよいところに管制アンテナをを組むべきであって、どうにも理解に苦しむ。
H2という高性能なロケットのペイロードを借りれるのに、これでは勿体無いと思うのは自分だけか?
因みに相乗り衛星はJAXA産業連携センターという所で公募している。

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